ホライズン・ロボティクス、上場前日にアリババやバイドゥなどコーナーストーン投資家が2.2億ドル分の株を購入

2024/10/28 07:30

中国のAI(人工知能)スタートアップ企業「ホライズン・ロボティクス」(地平線機器人)は、10月24日の香港証券取引所での上場を前にした10月23日、香港の非公開取引で株価が36%上昇した。

ホライズンは54億香港ドル(約1059億円)の資金を調達する見込みで、今年の香港でのIPOとしては最大規模で、最近のテック業界のIPOでも最大規模となる。

ホライズンが提出した管理文書によると、コーナーストーン投資家の「アリババ」や「バイドゥ」など4社が約2.2億ドル(約335億円)分の株を購入した。またホライズンは1株3.73~3.99香港ドル(約73~78円)で13.55億株を売却したという。

こうしたホライズンへの人気はまた、ここ2年間低迷していた香港のIPO市場が盛り返しの兆しを見せていることの表れでもある。ハンセン指数はここ1か月半で約20%上昇している。

ホライズンは、以前にバイドゥに勤務し自動運転業種への進出に大きく貢献したAI科学者の余凱氏らが2015年に設立した。これまで黒字化は実現しておらず、研究開発費がかさんでいることで2021年から2024年上半期までの累積赤字は200億元(約4282億円)を超えている。

ホライズンと緊密な提携関係にある国際自動車メーカーで事業の責任者を務めていたという人物は、「自動運転を手掛ける会社は利益が出にくく、上場できただけで十分だ」と述べている。

ホライズンはまた、期待の製品である自動運転向けチップ「Journey(徴程)5」について目論見書での取り上げが少ないなど、ここ2年ほど挫折も味わっている。目論見書には、「ホライズンのチップは290種類の製品に組み込まれているが、車に搭載されているのは主に旧タイプの『Journey2』と『Journey3』であり、『Journey5』は主力サプライヤーとの提携が進んでいない」と書かれている。

ホライズンのチップを使っていない自動運転会社のある関係者は、「Journey 5号の計算力を実際にテストしてみたところ、想像していたものと随分開きがあった」と述べている。

ホライズンはまた、大口取引先への依存度が過大であり、今年上半期の売上高を見ると上位5社の割合が8割近くに達している。このうち特に大きなユーザーなのがVWグループのソフトウェア子会社「CARIAD」と合弁で設立した、自動運転のアプリやシステムの開発や製造を手掛けている「カリゾン」(酷睿程)である。

(中国経済新聞)