中国、海外投資額は世界3位 アジア向けが8割近く

2024/09/28 10:06

中国の商務省、国家統計局、国家外貨管理局は9月24日、22年連続となる「年間中国対外直接投資統計コミュニケ」を発表した。

これによると、2023年は全世界の海外直接投資額(FDI)が2%ダウンし、海外企業買収の規模が過去10年間で最低となった中、中国の海外直接投資額は8.7%プラスとなり、健全で着実な成長を果たしている。

2023年、中国の海外直接投資は前年比8.7%増の1772.9億ドル(約25.66兆円)で、世界に占める割合も前年より0.5ポイント増えて11.4%となり、8年連続で1割以上となっている。また中国は12年連続で上位3か国に入っており、海外投資大国との地位を固めている。2023年の投資額は2002年の65.7倍で、この間に年間22.1%の割合で増加している。さらに投資残高は2023年末現在2.96兆ドル(約428.4兆円)で、7年連続でベスト3に入っている。

中国の海外直接を分野別に見ると、国民経済における18の業種に及んでおり、このうちリース・ビジネスサービス業、卸売り・小売り業、製造業、金融業の合計額が全体の78.1%にあたる1385.1億ドル(約20.04万兆円)となっている。これらの前年比成長率を見ると、リース・ビジネスサービス業が83.4%、卸売り・小売り業が24.6%と大きな伸びを示しており、このほか建設業、情報通信・ソフトウェア情報技術サービスも急成長株で、それぞれ97.2%、34.9%となっている。コミュニケによると、リース・ビジネスサービス業は全投資額の30.6%、投資残高の39.9%を占めている。

また投資先を見ると、アジア向けが8割近くを締め、前年比増加率は3.7ポイント増の13.9%となっている。このうちASEAN向けが34.7%増の251.2億ドル(約3.64兆円)で、アジア向け投資全体の17.7%を占めている。またアフリカは前年の2.2倍となる39.6億ドル(約5731億円)、「一帯一路」沿線各国は前年比31.5%増の407.1億ドル(約5.89兆円)で全投資額の23%を占めている。ヨーロッパは前年より3.6%減って99.7億ドル(約1.44兆円)、全体割合は5.6%である。北米は前年比7%増の77.8億ドル(約1.12兆円)で全体の4.4%、うちアメリカ向けは5.2%減って69.1億ドル(約1兆円)、カナダは141%増えて3.5億ドル(約506億円)であった。

(中国経済新聞)