モネの名作「睡蓮」が香港で競売へ 予想落札価格は35億円超

2024/09/11 11:30

イギリスの競売大手「クリスティーズ」は、クロード・モネの125年前の名作「睡蓮」(Nymphéas)が9月26日に香港で行われる20世紀・21世紀イブニングセールに出品されると発表した。モネの親族が長年にわたり保存していたもので、今回はある個人のコレクターの委託を受けてオークションに初登場する。また、アジアでは初めてとなる「睡蓮」シリーズの競売となる。

9月に香港の中環にオープンするというクリスティーズのアジア太平洋地区本社で、26日と27日に香港のレジェンドコレクター・区百齢氏の中国陶磁器オークション、および20世紀・21世紀シリーズの競売が開催される。

「オークションの女神」と言われているクリスティーズ`香港副総裁の陳良玲氏

この前の9月7、8日には上海でプレイベントが行われ、「睡蓮」も披露されている。作品はモネがフランスのジベルニーに移り住んだ後の1897~1899年に描いたもので、「睡蓮」シリーズの中でも初期の作品であり、テーマの最初の探求を示している。モネはこの作品の後、一生にわたってこのテーマを貫き、200以上描き上げた油絵作品のインスピレーションとなっている。

このシリーズ作品はわずか8作で、うち4作はパリのマルモッタン・モネ美術館、ロサンゼルス郡立美術館、鹿児島市立美術館、ローマの国立近代美術館に保存されている。よって今回競売にかけられるのは極めて貴重なもので、予想落札価格は2~2.8億香港ドル(約36.7億円~51.4億円)となっている。

また、シチリア・ブルボン朝(Bourbon-Two Sicilies)の王室で30年以上保存されていたフィンセント・ゴッホ(Vincent van Gogh)の名作「もやい舟」(Les canots amarrés)も今回同じく初出品され、予想落札価格は2.3億~3.8億香港ドル(約42.2億円~69.8億円)という。

さらに今回は、シュルレアリスム(超現実主義)の父であるルネ・マグリット(René Magritte)の神秘的作品「先見の明」(La Préméditation)、常玉(サンユウ)の1930年の名作「曲膝白色裸女」(Nu blanc au genou levé)、ザオ・ウーキー(趙無極)の超人的3連作「05.06.80 – Triptyque」といった大型作品も売り出される。

(中国経済新聞)