パリ五輪のテニスで中国選手が金メダル獲得 中国各地でテニスコートの使用料が値上がり

2024/08/7 13:30

パリオリンピックのテニス女子シングルスで、中国の鄭欽文選手がこの種目で中国勢初となる金メダルに輝いた。また同じくテニスの混合ダブルスで、中国の張之臻選手/王欣瑜選手のペアが過去最高成績となる銀メダルを獲得した。この結果を受け、中国ではテニス人気が一気に高まっている。

国際テニス連盟が発表した「2021年世界テニスレポート」によると、2021年の世界のテニス人口は8718万人で、国別に見ると中国はその22.9%にあたる1992万人で、アメリカに次ぐ2位であった。また中国は、テニスコートの数も2位で49767面、インストラクターの数は5位の11350人となっている。

中国の O2O 大手「美団」によると、「テニス」の検索数について、今年7月以降は前年より6割以上の増加となり、地域別では上海、北京、深セン、成都、広州が多くなっている。テニスのレッスンやトレーニングへの申し込みも増え、テニスに関する団体購入の注文数は前年比172%増である。いずれも25~35歳の割合が5割以上となっている。

テニス女子シングルスで中国勢が初の金メダル・鄭欽文選手(21才)

こうした人気を受け、テニスコートの利用も増えている。通常規格の屋外コート8面とセンターコート1面がある上海の仙霞テニスセンターでは、1時間あたりの使用料が30元~220元(約600円~4400円)で、8月2~9日の午後5時~9時はすべて予約が一杯である。同じく上海の浦発銀行東方体育中心も、同じ期間で、3面ある屋外コートが午後、夜間とも予約満杯である。

屋内のコートはさらに利用者が殺到している。屋内が3面、屋外が4面ある上海の徐家匯体育公園のWilsonコートでは、屋内の方は2日~9日、午前8時から夜9時まですべて予約済みである。また北京では、合生匯球星スポーツセンターのコートが2日~4日の朝6時~夜10時ですべて予約済みである。

これに伴い、コートの使用料も値上がりしている。北京のテニス愛好者から特に人気のある朝陽公園のテニスセンターは今年4月から、屋外コートのゴールデンタイムの1時間あたり使用料を120元(約2400円)から140元(約2800円)に、センターコートは同じく320元(約6400円)から360元(約7200円)に値上げしている。それでも予約は後を絶たず、人気の時間帯は3日前に押さえておかなくてはならない。

北京、上海、広東省、湖北省などで、今年に入ってからこのような値上げ傾向が続いている。広東省珠海市のあるテニスセンターでは、センターコートの1時間使用料金が2000元(約4万円)から3000元(約6万円)に、湖北省仙桃市のあるコートでは年間パスの料金が1580元(約31600円)から1880元(約37700円)に値上がりしている。

(中国経済新聞)