日本製鉄、中国・宝山鋼鉄との合弁事業から撤退

2024/07/25 17:30

日本製鉄は、中国の国有鉄鋼大手「宝山鋼鉄」(BAO STEEL)との20年間にわたる合弁事業を解消すると決定した。宝山鋼鉄は7月23日、「宝鋼日鉄自動車鋼板の株式50%買収に関する議案」を認可する公告を発表している。宝山鋼鉄と日本製鉄は2004年、折半出資により計30億元(約637億円)で「宝鋼日鉄自動車鋼板」を設立し、自動車およびその部品である冷間圧延鋼板や亜鉛めっき鋼板の生産や販売を進めてきた。

公告によると、この会社の契約期限が今年8月29日となっている中、宝山鋼鉄と日本製鉄は話し合いの結果、宝山鋼鉄が17.58億元(約373.5億円)で日本製鉄所有分の株式を買収して全額出資子会社とし、日本製鉄が合弁事業から撤退することになった。

宝山鋼鉄の決算報告を見ると、合弁会社は2023年末の時点で総資産額58.1億元(約1230億円)、純資産は39.2億元(約833億円)で、年間の純利益は4.1億元(約87.1億円)となっている。

業界内のあるアナリストは、今回の日本製鉄の撤退は契約期間の終了に伴うもので、合弁の打ち切りではないと述べている。「契約の満了を迎えた企業は当然、更新するかしないかを決めなくてはならない。こうした中で日本製鉄は、中国の鉄鋼市場の先行きを踏まえて更新を見送ると判断した模様であり、よくある出来事だ」とのことである。

このアナリストは、中国の鉄鋼業は黄金期や高度成長期を過ぎ、今は飽和あるいは後退期に入っていると指摘している。需要が伸びず価格も低迷し、主な原料の価格も高値で推移しているので、今年上半期は各上場企業がかなりの赤字となってしまうとのことである。

日本製鉄は中国でこれまで20年間、急激に増える自動車用鋼板の需要をとらえて事業を拡大し、一方で宝山鋼鉄も合弁会社を通じて国内で手薄だった鋼板の技術を日本製鉄から獲得するなど、両者ともメリットを形成していた。

このアナリストは、今回の日本製鉄撤退による宝鋼への影響は少ないと見ている。「合弁会社の発足当初は、日本製鉄が技術を、宝山鋼鉄が市場を供与していたが、今の段階では、日本製鉄の技術はそれなりのレベルではあるものの大差がなくなっている」と述べている。

(中国経済新聞)