富士山で58歳の中国人が死亡

2024/07/12 13:30

7月8日夜、富士山の山梨県側登山道「吉田ルート」の8合目付近で、58歳の中国人男性が意識を失い、のちに死亡が確認された。富士山は7月1日の山開き後では初めての死亡例となった。

富士山はふもとから頂上までを10合に分け、山腹の中間が5合目(車で行ける最高点)で、頂上が10合目である。この男性は黄さんといい、8日午後1時ごろ、妻と2人で山頂に向けて5合目(休憩所)を出発したが、8合目あたりで体調不良を訴え、山小屋で1時間半ほど休んでいたという。その後再び出発したが、夜8時半にまたも体調不良となり意識を失った。

通り掛かった登山者が山小屋関係者に通報し、黄さんは近くの救護所に搬送されたが、現地の医師により死亡が確認された。黄さんは持病などはなく、装備はしっかりしていたという。警察の調べでは自然死と見られるとのことで、さらに詳しい死因調査が行われている。

富士山は、7月1日の山開き後では初めての死亡者発生となった。それ以前の6月26日には、行方不明となっていた登山者1人を捜索していた救助隊が、山頂の静岡県側で心肺停止状態だった3人を発見し、いずれもすぐ後に死亡と発表された。この中に捜索中だった登山者が含まれているかは定かでない。

富士山では、日の出を頂上から見ようと夜に出発する登山者が多い。休まず一気にアタックする人もいるが、途中でばてたりけがをしたりする人もいる。

富士山は7月1日に山開きをし、主な登山道4本のうち山梨県側の吉田ルートが開放される。吉田ルートは今年から2000円(およそ90元)の通行料が必要となった上、登山の制限時間も設けられ、登山者の数が上限に達した場合は通行不可となるという。

富士山は海抜3776メートルで、東日本の山梨県と静岡県の県境にある。登攀ルートは4本あり、うち3本が静岡県側で、山梨県側の吉田ルートは傾斜が緩く人気のルートである。

(中国経済新聞)