中国自動車界、国内メーカーが外国勢を逆転 シェア6割に迫る 

2024/07/12 07:30

中国の自動車界はこれまで長い間、外国との合弁メーカーが国産車を抑え込む状態が続いており、2020年の販売分は10台中6台が合弁車種であった。しかし今年上半期は形勢が完全に逆転し、小売販売のうち国内メーカーが6割近くを占めるに至っている。

中国乗用車市場情報連席会(以下「乗連会」)は7月8日、今年6月の販売台数について、国内メーカーは前年比10%増、前月比5%増の103万台で、主要合弁メーカーは前年比27%減、前月比1%減の48万台であったと発表した。両者せめぎ合いの状態が続く中、6月の国内メーカーの中国での販売シェアは前年9.3ポイント増の58.5%で、2024年上半期全体では7ポイント増えて57%となっている。

一方、合弁メーカーの販売シェアについて国別に見ると、ドイツ系車種が前年比2.6ポイント減の18.6%、日系車種が3.5ポイント減の14.3%で、落ち込みが大きかったのはアメリカ系で2.9ポイント減の6.3%であった。

また、6月の販売台数上位10社の中で、前年比増を果たしたのはいずれも国内メーカーであるBYD、吉利、奇瑞の3社のみだった。逆に前年比減の7社のうち、一汽-VW、上汽VW、広汽トヨタ、一汽トヨタ、華晨BMWの5社が合弁メーカーであり、残りの2社は国内メーカーの長安汽車と外国単独出資のテスラである。

乗連会の崔東樹事務局長は、国産乗用車の急成長が続いていることについて、国内メーカーが新エネ車や輸出で数量を伸ばしていることを理由に挙げている。

これら新エネ車や輸出がこれからさらに拡大することで、国内メーカーの市場シェアが一段と高まりそうである。大手コンサルティング会社のMcKinseyによると、2025年には国内メーカーの市場シェアが60%に達し、5年以内に過去最大の飛躍を果たすという。またBYDの王伝福会長は「2025年に市場シェア70%」とさらに鼻息の荒い予想を立てている。

こうした流れは、合弁各社にとって頭の痛い状態である。広汽三菱、広汽フィアットクライスラー、長安スズキ、東風ルノーなどが中国から撤退し、主力メーカーだったトヨタ、ホンダ、VW、GMなどもリストラや賃金削減、減産、工場閉鎖といった状態である。東風日産は6月21日に江蘇省常州の工場閉鎖を発表した。日産が中国で乗用車工場を閉鎖するのは初めてである。

(中国経済新聞)