グリー電器会長、太陽光発電で「製造業は稼ぐよりも人のためになることを考えるべき」

2024/06/14 15:30

エアコンを主力品とする中国の大手家電メーカー「珠海格力(グリー)電器」の会長兼総裁である董明珠(Dong Mingzhu)氏は6月11日、SNEC PV+第17回(2024)第17回国際太陽光発電およびスマートエネルギー展示会(SNEC)に参加した際に、「太陽光発電は日光に関わり、日光は人に安らぎや楽しさを与えるものだ。業界や企業は、単にお金を稼ぐためでなく、技術により『素晴らしい生活』という最終目標を達成するものだ」と語った。

董会長は、太陽光発電における目下の競争について、「グリー電器はエアコンから家電全品種の企業に成長していった。この間に解決不能な問題にも出くわしたが、市場は涙を信じず、あるのは『戦い』の2文字のみであり、自分との戦いだ」と述べている。共同発展は当然だが戦いはもっと必要で、競争して技術改良を続けてこそ市場を維持していけるという。

董会長はまた、「製造業は、お金を稼ぐことなど考えず、まず人のためになるかを考えるべき」と言う。「技術で人を変え、商品の質が保証されれば、自然と人に支持される。時代は進み、物も豊かになって、製造業はさらに新たなアイデアが必要で、暮らしをいいものにすることを目指し、人のためを考えて多くの人を豊かにさせるべきだ」とのことである。

グリー電器本社ビール(建設中)

董会長は今日のSNECの出席について「勉強しに来た」と言ったものの、次世代エネルギーに対するグリー電器の取り組みの「芽」もすでに見えている。グリー電器は2023年12月20日に、10.15億元(約220億円)で「格力鈦」へ株式の24.54%分の増資を発表した。これが実現すれば、同社の議決権の72.47%を手に入れることになる。さらに今後12か月以内に最大で計27.53%の株式を譲り受ける予定であり、最終的には格力鈦を完全支配して蓄電事業を手中に収める。

格力鈦は旧名「銀隆新能源」で、チタン酸リチウム電池のコア材料、電池、スマート蓄電装置、新エネ車の研究開発、生産、販売、車載電池の回収・リサイクル利用を手掛ける総合的な次世代エネルギー会社である。

格力鈦は公式情報によると、家庭での蓄電装置も揃えており、現在はフィンランド、ノルウェー、デンマーク、オランダなどヨーロッパ各国で販売している。さらには都市間高速鉄道の蓄電装置も手掛け、中国中車と提携して山西省の大秦線でエネルギー回収を実施している。また商工業での蓄電装置も用意している。

(中国経済新聞)