ドラマ「私のアルタイ」でウイグルが観光ブームに アプリの検索数は6倍、航空券予約も急増

2024/05/22 13:30

作家・李娟のエッセイ集「私のアルタイ」を原作としたTVドラマが、5月7日の放送開始と同時に大絶賛となり、現地への旅行や航空券の予約が急増している。

「私のアルタイ」は、ウイグル自治区のアルタイで育ち、19歳の時に自治区内最大都市のウルムチで働き始めた漢族の李文秀(チョウ・イーラン演)がヒロインである。内気な性格だが物書きが好きで、大都会で文学を求めたいという夢を抱いていたが、ホテルでの仕事がうまくいかず、里帰りして店を営む母親の張鳳侠(マー・イーリー演)とともに過ごさざるをえなくなった。そこで親しみを感じただけでなく、カザフ族の明るい少年・巴太(ユーシー演)と知り合い、牧場暮らしの中で地元のすばらしさに気づいていく。

トリップドットコムでは、ドラマの放送が始まった5月7日から現時点で、「アルタイ」の検索数が先月同期間の2倍に増えた。また同程旅行((LY.COM)では同じく562%の上昇で、「アルタイ」が同社ミニアプリの検索ランキングでベスト10入りしたほか、「ウイグル」の検索も323%増となった。

同じく旅行アプリの「去哪児」(Qunar)では、5月5日以降の「アルタイ」の検索は前月より4倍に伸び、航空券の予約は4割近く増えている。出発地を見ると、甘粛省蘭州、四川省成都、陝西省西安、広東省の広州や深セン、上海、北京、河南省鄭州、江蘇省南京、浙江省杭州が多くなっている。

また、ウイグル自治区での運営が充実している「中国南方航空」の最新データによると、向こう1か月間のウルムチーアルタイ便の予約数は大幅に増えており、うちアルタイ行きは50%以上のプラスである。

アルタイはもともとウイグルで人気の観光地であり、今年の地域内各空港(アルタイ空港、カナス空港、コクトカイ空港)での中国南方航空の利用者数は、現時点で前年比14%増ののべ8.06万人となっている。航空券アプリ「航旅縦横」のビッグデータでも、向こう3か月間のアルタイ行き国内線の予約数は4日前より約16%増えており、ここ数日間はチケットの値段も上がっている。

にわかな人気を前に、輸送体制の整備も必要となる。アルタイ市はウルムチから500キロ弱であり、北京と山西省太原市の距離とほぼ同じである。「長時間移動」を避けるにはやはり航空業界が頼りであるが、この中で中国南方航空は、アルタイからの出発便のうち35%以上を占めている。ウルムチとアルタイ、カナス、コクトカイを結ぶ便のほか、北京の大興や広州とアルタイを結ぶ直行便も週に1往復運航させており、1日の運航本数は最大12本で搭乗定員は合わせて1700人以上となっている。

(中国経済新聞)