中国最高人民裁判所は、吉林省の政治協商委員で元共産党グループのメンバー、副主席である張暁霈氏が、中級人民裁判所で6934万元余り(約14.3億円)を不正に授受したと指摘されたと発表した。張氏は法廷で罪状を認めた。
この日、山東省菏沢市の中級人民裁判所で行われた張氏の収賄容疑に関する審理で、同市人民検察院は、「張氏は、吉化集団の共産党副書記およびマネージャー、吉林市の常務委員および副市長、副書記、市長、書記、吉林省政治協商委員共産党グループメンバー、副主席などを歴任した2004年前半から2022年夏にかけて、職権を利用して関係団体や個人に対し、事業の請け負い、用地の認可、昇進などで便宜を図り、直接または親族を通じて合計6934万元余り(約14.3億円)に相当する金品を受け取っていた」と指摘し、収賄行為をしたとして刑事責任を追及した。張氏は法廷の最終陳述をし、罪を認め反省の意を示した。裁判所は後日判決を言い渡すと示した。
公開資料によると、張氏は1957年11月生まれで、2022年11月に紀律や法律に著しく違反したとの通報を受け、自ら出頭して取り調べを受けていた。2022年秋に行われた共産党第20回大会以降で、初めての中間幹部の出頭となった。張氏は、「事件を公然と探り、取締活動に介入した」とされた上、「公務を使ってわいろを受け取り、所轄地域の政治環境を著しく破壊した」「職権を利用して親族に巨額の利益を与えた」などと指摘された。
張氏の行為について先ごろ、汚職摘発の特別番組「力を出し続けて本格推進」で詳しく放映された。当初は一介の現場作業者であったが、仕事も覚え、真面目に働き、倒産危機に見舞われていた国有企業を懸命な改革の末に黒字転換させた。しかし、出世するにつれて気が緩み、だらけてしまった。番組では、張氏は権力を金に換える行為を働いたほか、家族を放任し金品を受け取っていたと報じた。この中で本人は、「清廉潔白を維持できるかに際し、一番危険なのは自分であり、一番乗り越えがたいのも自分だ」と語っている。
(中国経済新聞)