BMWとベンツが合弁で充電網建設 来年に初のステーション完成予定

2023/12/3 20:30

11月29日、BMWグループは、「華晨BMW汽車有限公司」と「メルセデス-ベンツ(中国)投資有限公司」が中国で、50:50の出資割合で合弁会社を設立することで合意したと発表した。増えつつある高級車向けの充電ニーズに応えるために高出力の充電ネットワークを形成していくという。

新会社は、2026年末までに約7000基の高出力充電システムを備えた1000基以上の急速充電ステーションを建設する予定である。2024年に新エネ車の販売台数の多い地域で最初の充電ステーションを開設し、さらに中国全土に充電ステーションを拡大展開する。プレミアム・チャージ・ネットワークは広く一般ユーザーに開放され、BMWグループとメルセデスベンツの顧客は、プラグ&チャージやオンライン予約など、シームレスなデジタル体験を味わえるという。

EVを購入する際は、充電のしやすさが決め手の一つとなる。中国では全般的に見て、需要面では充電器がやはり不足している。2023年1-10月のデータでは、充電インフラの増加数は274.4万台分だが新エネ車の販売量は728.0万台で、その割合は1:2.7である。計画では、2025年にはこれを1:2に、2030年には1:1とする予定である。

中国乗用車市場情報連席会の崔東樹事務局長は、「ベンツとBMWがのちのEV事業拡大に向けて共同で充電インフラの整備に乗り出した。充電インフラの整備にはかなりの時間がかかるが、ドイツでは、高級車向けの充電は規格がほぼ一本化されており、共同展開は効率もよくコストが分担できる」と述べた。

ある充電設備の運営会社によると、充電インフラを建設する際に大きな先決条件となるのが用地と電力容量である。用地については、一部の地域では場所がなくインフラ整備にあたって適切な提携先を求めなければならない。また電力容量の拡大が必要な地域もあり、これも同じく認可が必要である上、その際に工事費用がかかる。「ここ数年は充電インフラの整備に取り組む企業が増えており、用地などが逼迫しつつある。BMWとベンツの共同建設は資源などをすり合わせる上で有利に立つ」とのことである。

(中国経済新聞)