中国恒大集団の債務再編がまたも波紋を呼ぶ

2023/09/26 20:30

経営危機に陥った中国不動産開発大手「中国恒大集団」は9月24日、子会社である「恒大地産集団有限公司」は現在調査中であり、同グループの現状は新規債券発行の適格基準を満たすことができないと発表した。

「中国恒大」は9月22日、売上高が予想を下回ったため、当初9月25日と26日に開催予定だった組織再編案に関する関連合意および調整会議を中止すると発表した。

リスク情報によると、「恒大地産集団有限公司」は現在、執行対象者に関する590件以上の情報を保有しており、執行総額は560億元(1兆1400億円)以上で、消費者制限命令、背任者や事件情報もある。

財務報告データによると、「恒大不動産」の2022年の純損失は527億2000万元(約1兆700億円)、同社の負債総額は1兆8338億元(約37兆2000億円)、資産総額は1兆4686億元(約29兆8000億円)となり債務超過に陥った。

「2023年胡潤世界長者番付」によると、恒大創始者の徐家印(シュ・ジャイン)氏の純資産は現在わずか200億元(約4,060億円)で、世界ランキングは1,100位、昨年より712位下がった。2021年時点で、徐家印氏の純資産は2040億元(約4兆1400億円)に上り、世界第50位にランクインしていた。

IPGの中国担当チーフエコノミスト柏文喜(バイ・ウェンシ)氏によると、中国恒大の債権者集会がキャンセルされたのは、売上高が予想を下回ったためで、この動きは恒大が現在の市場環境と企業実態に適応するため、新たな業界動向と企業条件の下で海外債務再編の条件を再検討していることを示している可能性がある。

また、中国恒大が最終的に破産するかどうかについてはまだ判断できず、事業運営や法律上の問題だけでなく、「建物の支払い保証」など社会的な問題も考慮する必要がある。そして、この問題の解決策が見つからない以上、その見通しは楽観視することはできない。

(中国経済新聞)