今年上半期における全31省についての経済データが発表された。ほとんどの省で景気は回復傾向にあるが、上半期の経済成長率が第1四半期の成長率を下回った省が10省あり、課題を抱えていることがわかる。
10省には、吉林省、寧夏省、天津市、山西省、黒龍江省、重慶市、河南省、陝西省、湖南省、広西チワン族自治区が含まれており、このうち、広西チワン族自治区の成長率は第1四半期に比べ2.1ポイント低下、陝西省は1.6ポイント低下、河南省は1.2ポイント低下、寧夏省は1ポイント低下した。
昨年上半期には、吉林省の成長率はマイナス6%、天津市は0.4%の成長に留まっており、新型コロナウイルスの影響による工業生産の需要の低下、不動産投資の減少が成長率低下の主な理由と考えられる。
例えば重慶市では、外需の不確実性が経済発展の足かせとなっている。重慶の主要工業生産高のうち、ノートパソコンと自動車は最も重要な製品である。3月の重慶の生産高は、マイクロコンピューターが800万6700台、自動車が19万3900台であったが、4月はマイクロコンピューターの生産高が52万1900台に減少し、自動車の生産高も15万8900台に減少した。
経済成長を牽引する投資・消費・輸出の3要素のうち、消費と輸出に比べ投資は、推進力が強く、通常政府が対策を講じることができる。だが、不動産開発への投資が激減したことで、経済に対する投資の牽引力が弱まっている。
例えば、上半期、広西チワン族自治区の社会消費財小売総額は前年同期比3.8%増加し、対外貿易輸出は51.7%急増したが、固定資産投資(農家を除く)は前年同期比21.1%減少。これにより第2四半期の広西チワン族自治区の経済成長率急落の主因が投資であることを示している。
また、広西チワン族自治区だけでなく、今年、一部の省の不動産開発投資も大幅に減少した。 統計を調べると、今年上半期、中国全土で不動産開発投資の伸びを維持したのは8省のみで、天津市は46.7%減、広西チワン族自治区は43.4%減、雲南省は33%減、遼寧省は23.4%減、黒龍江省は22.2%減、重慶市は21%減、青海省は27.8%減となった。
(中国経済新聞)