夏を迎え多くの空港や駅では、休暇を利用した旅行、友人や親戚を訪ねる旅行、学生旅行など人の移動が多く見られるようになった。中国オンライン旅行サイト最大手「携程(シートリップ、Ctrip)」のデータによると、夏休み最初の5日間で、海外への航空券の予約件数は前年比6倍に増加。今年の夏は新型コロナウイルスの規制が撤廃され、海外旅行の需要が再び高まりつつあると言える。
上海の「澎湃新聞」がビザ申請代行サービスを行う「VFS Global」から得た情報によると、今年3月以降、ビザ申請件数が急増し5月時点で2019年の4割に達した。VFS Globalは今年も旅行需要は高水準で推移し、ピークシーズンの到来は早いと予想。ビザ申請が多い渡航先は、カナダ、ドイツ、イタリア、イギリス、アメリカ、タイとなった。
シートリップによると、夏の旅行は短期旅行が主流となっており、日本、シンガポール、韓国、タイ、マレーシアが人気旅行先となっている。長期旅行では、オーストラリア、イギリス、ヨーロッパー諸国、アメリカなどへの人気が高まっている。
また、今年は中東・アフリカへの旅行需要が拡大。シートリップによると、7月11日現在、中東へのフライト数は2019年同期の70%まで回復、アフリカへのフライト数は2019年同期を上回る127%にまで達した。そのうち、エジプトへの旅客数は2019年同期と比べ2倍以上となっている。こうした背景には、アラブ首長国連邦では観光目的で入国する中国人に対して30日間滞在のビザを免除、エジプトでは空港等でアライバルビザが取得できるなど、中国人観光客に対して友好的な政策が取られていることが考えられる。
中国旅行会社大手「広州広之旅国際旅行社」によると、団体ツアーの人気旅行先のうち東南アジアでは、シンガポール、マレーシア・サバ州、タイ、モルディブ、バリ、スリランカ、ベトナム、ネパール、ラオス。欧米とアフリカではフランス、スイス、イタリア、コーカサス諸国、モンゴル、南アフリカ、エジプト、スペイン、ポルトガル、セルビア、アラブ首長国連邦・ドバイ、イラン、ケニアとなった。
(中国経済新聞)