ジャック・マー氏、「タオバオ・Tmallはタオバオに戻り、利用者に戻り、ITに戻るように」と指摘

2023/06/21 09:10

5 月下旬、アリババの創業者であるジャック・マー氏が、ともに配下の通販サイトであるタオバオとTmallの合同体「淘天集団」の各部門長を集めてミーティングを行った。CEO の戴珊氏、いずれも業界発展部の責任者である汪海、劉鵬、劉一曼の3氏、タオバオライブの責任者である程道放氏などが出席したほか、CFOの李博氏や菜鳥集団(Cainiao) のCEOである万霖氏も参加したと伝えられる。

マー氏は今年 3 月、3年ぶり3年ぶり公の場に姿を見せ、浙江省の杭州雲谷学校校長とともに教師の立場でこれからの教育について話し合った。また5 月には東京大学の客員教授に就任している。ただ、アリババの事業は常に関心を寄せている。

マー氏は現在リタイヤした身であり、今回のミーティングは特にテーマを設けず、円卓を囲んで対等におしゃべりをした模様である。マー氏が事業を詳しく知るための交流会のようであった。

この場でマー氏は、個人の判断を下した上、気持ちの面でアイデアを発散し大胆にイノベーションを果たすようにと勧めた。

アリババの複数の社員によると、淘天集団についてマー氏はかなり厳しい競争にさらされていると見ている。ノキアやコダックの例を挙げ、企業が業界大手から死に至るまで半年ないし1年程度しかかからず、IT業界ではそれがもっと速いのではないかと言う。

拼多多とTiktok電商の2022 年のGMV(流通取引総額)合計は、アナリストや社内の推計データから、アリババの中国国内での通販事業の50%以上に達している。また拼多多は、2023 年1-3月の売上高がアリババの国内分の62%となっている。

マー氏はミーティングで、アリババについて、これまでのような成功に頼った方法論はもはや通用せず、早期に改めるべきだと述べた。淘天集団について、「タオバオに戻り、利用者に戻り、ITに戻るように」と指摘したほか、組織的に平準化する必要があると見ている。社員の予想では、「618」セールが終了した今、管理制度について様々な改革が行われるという。

(中国経済新聞)