中国で長年にわたり労働者を送り込んでいる中西部の各省が今、人口減という状況に陥っている。
その一つである四川省が発表した「2022年国民経済・社会発展統計公報」によると、2022年の中国の人口変動状況における部分調査からの推計で、出生者数は53.5万人で出生率は6.39‰、死亡者数は75.7万人で死亡率は9.04‰であり、自然増加率はすでに発表済みの23の省・地域の中で下位となる-2.65‰であった。
自然増加率とは、一定期間(通常は1年)における自然増加数(出生者数から死亡者数を引いた数字)をその時期における平均人数(または期中人数)で割ったもので、一般に千分率で示す。
四川省だけでなく、労働者や役務者を送り出している主な地域が同じような状況となっている。
河南省の2022年のまとめによると、年末時点の常住人口は9872万人で、年間出生者数は73.3万人、出生率は7.42‰である。また死亡者数は74.1万人で死亡率7.50‰、自然減少分が0.8万人で増加率は-0.08‰である。
自然増加率について、人口の多い上記2省のほか、いずれも出稼ぎ者の主な出身地である湖北省が-2.01‰、安徽省が-0.93‰、湖南省が-2.31‰となっている。また、出稼ぎ者は1000万人未満であるが人口当たりでの割合が多い重慶も-2.11‰である。
このような結果により、産業や経済に影響が生じる。四川省の人口学会会長である四川省社会科学院の陳井安氏は、「これにより社会問題が生じる」と言う。若い世代がみな働きに出て高齢者が自宅に残り、出稼ぎ者が働けなくなってから故郷に帰るといった状態では、出生率の低下や高齢化が進み、地元政府は扶養関連の歳出が増大することになる。
(中国経済新聞)