2か月前から言われていた「寧徳時代(CATL)とフォードが北米で合弁工場を建設」との情報が、ようやく鮮明になった。
フォードは2月14日、アメリカに新規建設するリン酸鉄リチウム電池の工場で、CATLが技術や役務を提供することで合意したと正式発表した。セルや車両の組立てはフォードのエンジニアが担当するという。
工場は、フォードが全額の35億ドル(約4620億円)を投じてミシガン州のMarshallに建設し、2026年操業開始予定で、年間の製造体制はおよそ35 GWh、EVおよそ40万台分の車載電池パックを製造する。
両者の合弁実施モデルは、フォードが建屋やインフラなど工場の株式100%を保有し、CATLが運営して電池の製造技術を供与するといった形である。こうしたモデルについて、CATLからの直接投資が不要となり、アメリカ政府の定めた「インフレ抑制法」(IRA)における税制面での優遇措置を受けることが狙いと見られている。
去年8月に成立したIRAは、アメリカ本土でのEVに対する税の減免措置適用について厳しい条件を設けている。EVの購入者に対して、新車の場合は7500ドル(約99万円)、中古車の場合は4000ドル(約53万円)の税額を控除するが、2024年からは「懸念のある国」から電池の材料や主要鉱産物を調達したものについては控除対象外となる。
こうした法令により、CATLはアメリカでの工場建設が難しくなった。CATLの海外工場はドイツのテューリンゲンとハンガリーのデブレツェンの2か所で、ともにヨーロッパであって、北米の車載電池市場はほぼ日韓両国に「支配」されている。
(中国経済新聞)