4月12日,北京量子情報科学研究院の発表したところによると、中国は位相量子状態とタイムスタンプ量子状態のハイブリッドコーディングの量子直接通信新システムを設計・実現した。通信距離は100キロメートルにのぼり、現在世界最長の量子直接通信距離となっている。
これは北京量子情報科学研究院、清華大学の龍桂魯教授のチームと陸建華教授の研究チームの共同研究開発の成果で、光学関連学術誌「Light: Science & Applications」最新号にオンライン掲載された。
中国最新鋭の量子暗号衛星「墨子」
同研究によると、既存の成熟した技術手段を用いることで、都市間のポイントツーポイントの量子直接通信が可能だ。最近中国と英国の学者が共同で提起した安全中継ネットワーク構築技術を利用することで、エンドツーエンドの安全中継量子ネットワークを構築し、複数の応用をサポートできる。
33年前、人類史上初の量子通信が実験室内で実現され、伝送距離は32センチだった。中国人は現在この距離を1400万倍以上に広げ、地上から宇宙へのマルチユーザー通信を実現した。中国科学技術大学は2021年、中国の科学研究チームが距離4600キロの衛星・地上間量子鍵配送に成功したと発表。これは中国が天地一体型広域量子通信ネットワークの原型を構築したことを示している。この成果は英誌「ネイチャー」に掲載された。
量子通信は量子テクノロジーの3大方向の一つだ。中国は20年以上の取り組みにより、同分野における追走からリードへの重要な転換を実現した。中国は2016年に世界初の量子科学実験衛星「墨子号」を打ち上げた。2017年には世界初の量子機密通信幹線「京滬幹線」を構築した。