米小売大手クローガー、中国市場へ本格参入

2026/07/21 12:00

米国の大手食品小売チェーンクローガー(The Kroger Co.)が、中国市場への本格進出に向け、約3億8,000万ドル(約550億円)を投資し、広東省深圳市に関連事業会社を設立する計画であることが明らかになった。中国では知名度は高くないものの、米国を代表する食品スーパーの中国進出として業界の注目を集めている。

クローガーは1883年に米オハイオ州シンシナティで創業し、140年以上の歴史を持つ。現在は全米で2,700店舗以上を展開する米国最大級の食品小売企業で、食品スーパーを中心に、プライベートブランド(PB)商品の開発・製造、薬局、EC(電子商取引)、食品製造など幅広い事業を手掛けている。

2024年度の売上高は1,471億ドルに達し、既存店売上高は前年比1.5%増加した。EC売上高は130億ドルを超え、前年比11%増となるなど、デジタル事業も着実に拡大している。

同社は青果や精肉、乳製品、ベーカリー、総菜など日常的に利用される食品を主力商品とし、生活用品も取り扱う総合スーパーとして展開している。また、多くの店舗には薬局やガソリンスタンドを併設し、買い物と合わせて処方薬の受け取りや給油などができる利便性を提供している。

さらに、自社ブランド商品の強化にも力を入れている。高級食品ブランド「Private Selection」、オーガニック・健康食品ブランド「Simple Truth」、低価格帯ブランド「Smart Way」などを展開し、多様な消費者ニーズに対応している。食品製造施設も自社で保有しており、一部のPB商品は自社生産を行っている。2024年度のPB商品の売上高は320億ドルを超え、収益性の向上にも寄与した。

2025年初時点で、クローガーは全米で2,731店舗を運営しており、このうち2,273店舗に薬局、1,702店舗にガソリンスタンドを併設している。今回の中国市場への投資が、同社の海外事業拡大の新たな一歩となるか注目されている。