中国商務部は9月3日の定例記者会見で、今年1月から7月までに中国を訪れた外国人による国内消費額が2636億元(約5兆2720億円)に達し、前年同期比で27.8%増加したと明らかにした。出国時の免税手続きを利用した外国人旅行者の数も、前年同期の3倍以上に増えた。
夏の観光シーズンには、訪中旅行と中国での買い物が特に活発になった。商務部の黄玲報道官によると、今年の夏は「中国旅行」「中国買い」が海外で人気を集め、外国人観光客が中国で買い物を楽しんだり、グルメや観光地、展覧会・公演などを体験したりする動きが広がった。
今年の夏は欧州などでの猛暑を背景に、中国を避暑先として訪れる外国人観光客が大幅に増加。「China Cool」という言葉が海外のSNSで注目を集めた。
旅行プラットフォームのデータによると、今年夏の訪中旅行客数上位20カ国・地域のうち、欧州の国が30%を占め、旅行予約件数は前年同期比275%増加した。観光施設などのチケット予約も20倍以上に増えたという。
大都市だけでなく、地方の観光都市にも外国人観光客が押し寄せている。新疆ウイグル自治区の伊寧(イーニン)やチベット自治区の林芝(ニンティ)を訪れた外国人観光客は、前年同期比で6倍以上に増加した。
外国人観光客の「買い物リスト」には、中国の伝統やデザインを取り入れたブランド製品や最新のスマート製品も並ぶようになっている。
上海では、消費者一人ひとりのニーズに合わせて商品を製作する「上海定制(上海オーダーメイド)」が人気を集めており、衣料品、ジュエリー、腕時計、眼鏡など幅広い分野で外国人観光客の利用が増えている。外国人客が専用に訪れるケースも多く、利用者に占める外国人の割合が50%を超える店舗もあるという。
また、折りたたみスマートフォンやAI搭載スマートグラス、スマートバンドなどの先端デジタル製品も、外国人観光客の「新たな人気商品」となっている。
外国人による中国国内での消費拡大の背景には、政府による受け入れ環境の整備がある。
中国商務部は昨年以来、財政部と連携して国際的な消費環境の整備を進めており、15都市をモデル都市として、高品質な商品・サービスの充実や外国人向けの利便性向上を支援している。
例えば深圳では、国際的な消費エリアの整備、多言語案内表示の充実、決済サービスの改善などを進めている。
外国人旅行者による消費を後押ししているのが、出国時の免税還付制度の改善だ。
7月1日には、いわゆる「出国時免税還付2.0版」の一環として、少額取引を対象とした抽出検査方式やペーパーレス手続きが正式に導入された。これにより、外国人旅行者はより簡単に免税還付を受けられるようになり、出国時の手続きも効率化された。
地方でも取り組みが広がっている。北京市では初となるオンライン型の出国時免税還付店舗が開設されたほか、広州、重慶、成都などでは、買い物をしたその場で還付を受けられる「即買即退」型の集中還付拠点が整備されている。
中国商務部は今後、関係部門や地方政府と連携し、関連政策の実施をさらに進める方針だ。外国人観光客が中国でより快適に買い物や観光を楽しめる環境を整え、「中国旅行」と「中国買い」の魅力を一段と高めたい考えだ。
(中国経済新聞)
