中国を代表する家電メーカー、格力電器(GREE)の業績に海外市場の低迷が影を落としている。同社が発表した2026年上半期決算によると、売上高は前年同期比8.15%減の893億9800万元(約2兆800億円)、純利益は7.87%減の132億7800万元(約3088億円)となり、減収減益となった。
最大の要因は海外事業の不振である。主力事業の海外売上高は前年同期比21.98%減の127億4400万元となり、全体に占める割合も前年同期の16.78%から14.26%へ低下した。
格力電器は中国を代表する白物家電メーカーの一つで、特に家庭用エアコンに強い。調査会社「産業在線」によると、2026年上半期の中国製家庭用エアコンの輸出台数は約5142万台で、前年同期比9.8%減少した。輸出額も10.4%減の96億3000万ドルに落ち込んでおり、格力だけではなく業界全体が海外市場の縮小に直面している。
今夏、西欧では記録的な猛暑に見舞われ、一時的にエアコン需要が急増した。格力電器によると、フランスでの上半期販売台数は前年同期比50%増となり、注文の急増によって設置工事が8月末まで埋まるほどだった。
しかし、西欧の猛暑だけでは世界市場全体の落ち込みを補うことはできなかった。西欧では移動式エアコンが好調だった一方、壁掛け型などの分離式エアコンは依然として流通在庫が多い。また、中東では地政学的な緊張によって注文が大幅に減少し、北米市場も低迷した。東欧や中南米でも在庫調整が続いている。
格力電器自身も、中東市場の比率が比較的高いため、地域情勢の悪化による影響を強く受けたと説明している。また、海外では自社ブランドを前面に出し、中高級市場を狙う戦略を維持していることも、短期的には出荷数量の伸びを抑える要因になった。
一方、中国国内では逆風の中でも売上を維持した。上半期の国内売上高は1.90%増の725億1200万元となり、全体の81.11%を占めた。
中国の家電市場そのものは決して好調ではない。買い替え補助政策の効果が薄れ、上半期の家電小売市場は前年同期比9.9%減少し、エアコン販売額も15.9%減となった。その中で格力が国内売上を伸ばした点は、同社のブランド力と販売網の強さを示している。
同時に格力は徹底したコスト削減も進めている。上半期の販売費は17.29%減、研究開発費も19.16%減少した。その結果、純利益率は14.81%と前年同期をわずかに上回り、中国家電業界では依然として高い収益力を維持している。
中国で高級化粧品市場が回復、ロレアルとエスティローダーが好調
中国の化粧品市場で、高級ブランドの回復が鮮明になっている。フランスの化粧品大手ロレアルと米エスティローダーが発表した2026年上半期の業績を見ると、両社とも中国市場で堅調な成長を記録した。
ロレアルの上半期の北アジア地域売上高は55億1400万ユーロで、為替変動の影響を除くと前年同期比4.6%増加した。同社によると、最大の成長エンジンとなったのが中国市場で、とりわけ高級化粧品部門の回復が業績を押し上げた。
代表的な高級スキンケアブランド「ヘレナ・ルビンスタイン」の販売が伸びたほか、中国最大級のネット通販セール「618」でも好調だった。ロレアルのニコラ・イエロニムCEOによると、中国では高級化粧品と皮膚科学美容部門がともに7%近い成長を記録した。
興味深いのは、中国化粧品市場の流れがこの1年間で大きく変化した点だ。1年前までは大衆向け化粧品や中国国産ブランドの成長が目立っていたが、現在は一部の国産ブランドが苦戦する一方、高級ブランドが再び伸び始めている。ロレアルは「618」期間中の中国での販売が約10%増加したとみており、消費者心理も徐々に改善しているという。
エスティローダーも同様だ。2026年4~6月期の中国売上高は8億2400万ドルで前年同期比7%増加した。エスティローダー、ラ・メール、ジョー マローン ロンドンなどのブランドが、大手ECサイトの高級化粧品や高級フレグランス部門で上位に入った。
特に成長を支えているのがオンライン販売である。中国でのオンライン売上高はすでに全体の50%を超え、傘下11ブランドが動画アプリ「抖音(Douyin)」に出店している。また上海の研究開発センターを強化し、現在では同社の世界のイノベーションの約30%が、中国市場向けに開発されたものだという。
ここ数年、中国ブランドはECへの対応力や価格競争力を武器に外資系ブランドを追い上げてきた。しかし最近では外資系各社も値引きを拡大し、Douyinなど新しい販売ルートへの進出を加速している。
国産品と海外高級ブランドの価格差が縮まれば、「少し高くても有名ブランドを買う」という消費者も増える。中国化粧品市場では今、国産ブランドの急成長から、外資系高級ブランドの巻き返しへと、新たな競争局面が始まっている。
(中国経済新聞)
