中国のエネルギー構造に歴史的な転換点が訪れた。国家エネルギー局は9月1日、「7月末時点で太陽光発電の設備容量が12.86億キロワットに達し、初めて石炭火力発電(12.85億キロワット)を上回った」と発表した。太陽光発電は中国全体の発電容量に占める割合が31.5%で、最大の電力供給源となった。2026年上半期に全発電量における石炭火力発電の割合が初めて50%以下となった中国は、エネルギーのエコ化・低炭素化を進める中でまた大きなステップに突入した。
太陽光発電容量の「12.86億キロワット」という数字は、アメリカ、インド、ドイツなどを大きく上回り、またEU全体の合計容量をも上回るものである。
中国は現在、太陽光を利用したクリーン電力の割合を増加させている。今年1月から7月までの太陽光発電量は前年同期より15.5%増えて8,024億キロワットとなった。また電力消費量全体に占める太陽光発電分の割合は13%となり、利用量8キロワットのうち1キロワット分が太陽光によるものとなっている。
中国電力企業連合会計画発展部の劉志強副主任は、「エネルギー電力の構成内容で、太陽光発電が最大の電力供給源となったことは、再生可能エネルギーを中心とする新たな電力体系が着々と築かれていることの現れだ。発電側の構造を改革することで電力業界全体が炭素の排出を大幅に削減し、『脱炭素』目標の達成へ供給側の基盤が整備された」と述べている。
太陽光発電における今回の画期的な結果について、産業レベルで見ると、産業チェーン全体の競争力が十分に示された形となり、国内の設備利用について規模によるメリットが顕在化し、太陽光技術のレベルアップがもたらされることになる。

中国国家エネルギー局によると、中国はすでに世界で最も整備され、競争力のある太陽光産業チェーンが形成されており、部材の製造技術も発展し、シリコン電池の変換効率も世界トップであり、灰チタン石バッテリーなど次世代技術の開発も進んでいるという。世界のソーラーパネルの10枚のうち8枚が「Made in China」である。
中国の太陽光発電について、分散型の普及度合いを見ると、「全世帯設置への行動」が進んでいる中、ソーラーパネルを設置した世帯が830万戸以上となっている。屋根のパネル設置や地方の貧困支援活動などで、太陽光は住民を強力に支える「銀行」のような存在になっている。
また集中型については、西北部の「乾燥砂漠」地帯でのパネル設置事業がエネルギー生産と生態系の修復を両立させている。内モンゴル自治区、新疆ウイグル自治区、青海省、甘粛、寧夏回族自治区、吉林省などで、2025年初めから今年4月末にかけて計8,758キロワット分の太陽光発電設備が設けられ、砂漠化の抑制面積が230万ムーに広がっている。
さらに設備の統合化について、蓄電・充電・電池交換の一体化、脱炭素型のテクノパークや工場、太陽光の一体化整備といった新たな実用例が広がり、太陽光発電は交通、工業、建設業などへ急速に浸透し一体となって普及している。
しかし、太陽光発電は各電力源の中で容量自体は最大となったが、実際の発電能力や発電量は必ずしもそれに追いついているわけではない。
劉副主任は、「太陽光発電は昼と夜の違いや気象条件といった制約があり、間欠的で波があることが大きな特徴だ。また利用時間も石炭火力発電よりずっと少なく、中国はここしばらくは火力発電が主力となって安全性を支える役目を果たすことになる」という。「ふんだんな設備容量を本当に安定し信頼できる電力源とするには、新たな電力の仕組みを早期に整備することが肝要だ」と述べている。
先ごろ公表された「再生可能エネルギーに関する第15次5か年計画」では、再生可能エネルギーの年間発電量を2030年までに6兆キロワット前後とし、風力・太陽光発電の合計を4兆キロワット以上とする方針が打ち出されている。実現すれば、中国の発電量の内訳は「非化石が半分、再生可能エネが半分弱、新エネ車が3割」となる。またこの5か年計画では、再生可能エネルギーによる電力の代替数量の目標と実行内容が打ち出された。具体的には、2030年までに中国全体の風力・太陽光発電の平均信頼出力を8%、夏場や冬場の需要ピーク時における風力・太陽光発電の電力供給割合を20%以上とし、5年間で3億キロワット超の再生可能エネルギー由来のピーク時用発電能力を新たに確保する。
国家エネルギー局は太陽光発電について、「第15次5か年計画」期間中に一段と質の高い発展を実行した上、利用しやすく信頼できる代替能力を着実に引き上げ、蓄電との一体化や太陽光熱の利用、ソーラー水素の製造など、様々な拡大モデルを検討し、太陽光発電を「天候任せ」から「出力調整・予測が可能」なものとし、「発電し安定送電し有効利用する」形にしていくという。
劉副主任は新たな電力の仕組みの早期整備について、「容量の拡大や資源の柔軟な調節、揚水蓄電や新型の蓄電設備の大規模な整備など様々な事業を進め、次世代型の石炭火力発電への改良も本格的に推進し、系統的で柔軟な調節力を着実に引き上げる」といった案を打ち出している。また、送電とマイクログリッドの両方に配慮する新たな電力網の体制を整備し、地域や季節を問わずに電力の互換体制を引き上げ、新エネ車から大規模電力網への受け入れや配置、調整力を強化する。このほか、技術革新やシステムの改良を通じて太陽光発電の信頼出力やピーク時の発電能力を着実に引き上げ、蓄電との一体化や太陽光熱の利用、ソーラー水素の製造など、様々な拡大モデルを検討していく。
(中国経済新聞)
