台風10号で広西に深刻な洪水被害 ダム決壊・越流相次ぎ2人死亡、5万5000人が被災

2026/07/7 12:00

台風10号(アジア名「メーサック」)の影響により、中国・広西チワン族自治区で記録的な豪雨が発生し、各地で深刻な洪水被害が広がっている。7月6日午前には南寧市横州市の六藍ダムと雲表ダムで越流や堤体の決壊が発生したほか、賓陽県の六旺ダムでも越流が確認された。広西当局によると、今回の洪水で約5万5000人が被災し、これまでに2人の死亡が確認されている。

中国中央テレビ(CCTV)によると、横州市では複数のダムで発生した異常により、下流の村や町が広範囲に浸水した。6日夜には校椅鎮東圩村で雨が弱まり、道路の冠水も一部引いたものの、記者が徒歩で現地に入った六藍村では、道路は泥や瓦礫、電線などで埋まり、多くの住宅が損壊し、車両の通行は不可能な状態となっていた。村内には今なお避難せず生活物資の到着を待つ住民も残されている。

被災地では、救助隊とともにダム周辺へ向かった記者が、貯水池周囲の護岸施設が洪水によって流失している状況を確認した。現地にはすでに大型建設機械が搬入されており、ダムの損傷状況を詳しく調査した上で、本格的な復旧作業に着手する予定となっている。

黄榃村の住民、黄さんは「台所で料理をしていると、裏手の道路から水が流れ込み始め、わずか10数分で家の中まで浸水した」と当時の状況を振り返った。「38年間生きてきて、これほどの洪水は初めてです。72歳の父もこんな災害は見たことがないと言っています」と語り、周辺一帯が一面の水に覆われたという。

洪水は瞬く間に住宅の1階部分を飲み込み、家族は食料や飲料水を2階へ運ぶのが精一杯だった。「家具や家財はすべて水に浸かり、車もそのまま水没してしまいました」と被害の大きさを訴えた。

当局によると、六藍ダムは中規模ダムで、今回の豪雨により堤体に2か所、総延長約50メートルの決壊が発生し、大量の水が下流へ流出した。

現在、南寧市と横州市は応急管理部門、消防、水利部門、武装警察などの救援部隊を現地へ派遣している。道路が各地で寸断されているため、ゴムボートなどの水上救助設備を投入し、孤立した集落への救援活動を進めている。また、民政部門は飲料水や非常食、医薬品などの支援物資を水路で輸送する準備を進めるとともに、通信・電力の復旧部隊も被災地でインフラの復旧作業に全力を挙げている。

(中国経済新聞)