15年前、10年前でさえ、「抹茶」と言えば多くの中国人にとって「日本」「日本文化」の象徴だった。日本を訪れて本場の抹茶を味わい、抹茶アイスクリームを食べ、あるいは国内の日本料理店で初めてその独特の苦味と香りに出会ったという人が大半を占めていた。しかし、6月5日に日本富士テレビが放送した特集は、多くの日本人を「破防」(ショック)させた。中国で抹茶が急速に台頭し、その本場である中国が世界的な「抹茶ブーム」を商機に変えつつある現実が、克明に報じられたからだ。
富士テレビの記者一行は、中国浙江省杭州市余杭区・径山地区を取材した。「広大な茶園が深い緑に染まっている。ここは日本ではない」。そう語るレポーターの声とともに映し出されたのは、中国が大規模投資で抹茶生産を強化し、世界に広がる抹茶熱を捉えようとする活気ある現場だった。径山寺は唐代天宝年間に創建され、1200年以上の歴史を持つ禅宗五山の筆頭。日本の茶道文化の源流であり、日本寺院建築や禅林文化に多大な影響を与えた聖地だ。まさに「千年抹茶の故郷」への回帰が、今、現実のものとなっている。
