中国EVの海外生産の動向

2026/05/26 14:36

 中国の電気自動車(EV・NEV)メーカーは、輸出拡大に伴う貿易摩擦の激化や物流コスト削減を背景に、海外での現地生産を急速に進めている。これにより、単なる完成車輸出から、現地化・地域生産へと戦略をシフトさせている。

 BYD(比亜迪)がこの動きを最もリードしている。同社はタイ、ブラジル、インドネシア、ウズベキスタン、ハンガリー、トルコなどで工場を建設・稼働させており、2026年に入り欧州初の工場となるハンガリー工場で本格生産を開始した。タイ工場は東南アジアの生産拠点として機能し、現地需要だけでなく周辺国への供給も担っている。また、トルコでは2026年末以降にEVとハイブリッド車を年間15万台規模で生産する計画を進めている。東南アジアでは、タイとインドネシアが主要な生産拠点となっている。

 BYDのほか、上汽集団(SAIC)、広州汽車(GAC)、奇瑞汽車なども工場を建設または計画中で、累計投資額は数百億規模に達している。これらの国では現地生産により関税を回避し、価格競争力を高めている。

 ラテンアメリカでは、ブラジルとメキシコが注目されている。BYDや長城汽車はブラジルに工場を建設し、現地生産を開始した。メキシコでは複数の中国メーカーが工場建設を検討しており、北米市場への輸出拠点としても期待されている。

欧州では、EUの追加関税を回避するため、ハンガリーやトルコでの生産が活発化している。BYDは2025年末までに欧州販売車両の現地生産比率を大幅に引き上げる方針を表明した。

 中国メーカーが現地生産を急ぐ主な理由は三つある。第一に、米国・EU・メキシコなどの高関税を回避すること。第二に、輸送コストと納期を短縮し、競争力を強化すること。第三に、現地政府の雇用創出や産業育成政策に合わせ、補助金や優遇措置を受けやすくすることである。

 2026年現在、中国EVメーカーの海外生産能力は急拡大しており、今後も東南アジア、中南米、中東、欧州での拠点整備が続くとみられる。

(中国経済新聞)