中国各地で2026年1〜3月期の経済統計が出そろい、13省・直轄市の域内総生産(GDP)が1兆元(約21兆円、1元=約21円換算)を突破した。広東省と江蘇省はともに3兆元(約63兆円)を超え、中国経済を支える「3兆元台」に到達した。
広東省のGDPは3兆4950億3400万元(約73兆4000億円)、江蘇省は3兆4483億元(約72兆4000億円)だった。山東省と浙江省も2兆元(約42兆円)を超え、四川省と河南省は1兆5000億元(約31兆5000億円)以上を維持した。主要6地域の経済規模は全国GDPのほぼ半分を占めた。
成長率では、15省・地域が全国平均の5.0%以上となった。東部では山東省と浙江省がともに6.0%成長を記録し、中部では安徽省が5.8%で首位となった。西部ではチベット自治区が6.1%で全国最高となり、甘粛省も5.9%と高い伸びを示した。
各地の成長を支えたのは、先端産業を中心とする「新質生産力」と内需回復だった。安徽省のハイテク製造業付加価値額は前年同期比38.9%増となった。上海市の固定資産投資は7.6%増加し、買い替え促進策による消費拡大も各地で続いた。
工業分野では、ハイテク産業の成長が目立った。広東省の一定規模以上工業付加価値額は5.4%増加し、先進製造業比率は56.7%、ハイテク製造業比率は34.8%となった。産業用ロボットの生産は45.2%増、3Dプリンター設備は63.6%増、集積回路は43.1%増、メモリーチップは32.0%増だった。人工知能(AI)関連需要の拡大を背景に、電子産業が成長を支えた。

江蘇省ではハイテク製造業が13か月連続で二桁成長を維持した。1〜3月期は集積回路製造が23.6%増、リチウムイオン電池製造が19.2%増となった。製品別では、集積回路が22.3%増、光電子部品が21.2%増、リチウムイオン電池が26.9%増だった。デジタル製品製造業全体も13.6%増となり、製造業へのデジタル技術浸透が進んでいる。
山東省の一定規模以上工業付加価値額は7.5%増となり、工業大省の中でも高い成長率を示した。製造業は9.0%増となり、設備製造業は10.4%増加した。電気機械、鉄道車両、船舶、自動車などで二桁成長が続いた。
安徽省、湖北省、河南省でもハイテク製造業が大きく伸びた。安徽省のハイテク製造業付加価値額は38.9%増となり、一定規模以上工業成長への寄与率は初めて50%を超えた。湖北省ではハイテク製造業が29.1%増となり、電子計算機本体、半導体ウエハー、プリント基板の生産がいずれも二桁成長を記録した。河南省のハイテク製造業は23.4%増で、リチウムイオン電池生産は95.7%増加した。
北京市では半導体製造業が61.5%増、風力発電設備生産が2.4倍となった。ロボット関連でも、生産用ロボットが98.5%増、サービスロボットが92.3%増を記録した。四川省の産業用ロボット生産は50.6%増、重慶市は28.5%増だった。
サービス業では、情報通信やソフトウェア分野が成長を支えた。北京市の情報通信・ソフトウェア・ITサービス業付加価値額は10.2%増、浙江省は10.5%増、江蘇省は10.0%増となった。浙江省ではデジタル経済関連サービス業売上高が15.6%増加し、江蘇省ではインターネット関連サービス収入が20.4%増となった。
観光分野では吉林省の伸びが際立った。冬季観光と春節連休需要を背景に、第3次産業がGDP成長率を3.2ポイント押し上げ、寄与率は70.6%に達した。宿泊・飲食業は4.9%増加した。浙江省の宿泊・飲食業は6.6%増、広東省は4.0%増となり、観光消費の回復が続いた。
内需面では、22省で固定資産投資がプラス成長となり、17省で社会消費品小売総額の伸び率が全国平均の2.4%以上となった。オンライン消費や買い替え需要、スマート製品需要が消費を押し上げた。
広東省の社会消費品小売総額は2.5%増加し、オンライン小売売上高は11.4%増となった。福建省ではウェアラブル端末販売が202.9%増、スマート家電が40%増加した。貴州省のウェアラブル端末販売は440.1%増、陝西省のスマートフォン販売は39.5%増だった。
一方で、湖北省の小売売上高伸び率は1.5%、広西チワン族自治区は0.1%にとどまり、湖南省は0.7%減となるなど、地域差もみられた。
固定資産投資では西部地域の伸びが目立った。寧夏回族自治区は13.1%増で、ITサービス投資は5.7倍に拡大した。チベット自治区は19.8%増となり、9か月連続で全国首位を維持した。第2次産業投資は71.2%増加した。黒竜江省は15.9%増、吉林省は11.9%増となり、東北地域でも地域ごとの差が表れた。
(中国経済新聞)
