1996年3月12日、乳製品メーカーの伊利が上海で上場を果たし、中国の乳業が商業化へ大きく足を踏み出した。
それから30年、伊利は「町工場」から「アジアNO.1」へ、さらに「世界のトップグループ」へと飛躍的な成長を遂げ、売上高は500倍以上も増えて1000億元の大台に達した。中国の牛乳は主な規格でEUを上回る世界レベルの品質となり、国産品として十分に自信を確立した。
中国で初めて資本市場に乗り込んだ乳製品メーカー・伊利はこの30年間、莫大な見返りで信頼に応え続けている。A株(中国株)上場会社では上位となる計26回、総額616億元にのぼる配当金を与えている。

フフホト市にある伊利の現代スマート健康谷は、每年多くの企業や一般客が見学に訪れている。乳飲料の世界的な製造拠点であり、ロボット「天団」を活用して1時間あたりの牛乳の充填数4万パックと世界最速の生産ラインを形成している。また粉ミルクの世界的な製造拠点でもあり、設備も優れ栄養分の配合割合はマイクログラム単位の正確さを誇り、オンラインでAIの24時間監視体制を講じてトータル的に品質を確保している。
伊利は川上側で、すべての乳牛に「デジタル身分証」を付与し、牛乳はすべてデータの「指紋」をつけるといった先端的な牧場を設けており、品質を根源から保障している。伊利の牛乳は現在、乳脂肪やたんぱく質など主な数値についておおむねEUの規格に到達しており、中でも生菌数や体細胞など主要規格はEUを上回るレベルに達している。

また中間部分では、AGV(無人搬送車)やロボットアームなど先端設備をそろえて一体化作業を施す工場を設け、生産の自動化を果たした。情報化システムを利用して研究開発から製品の流通までトータルプロセスでデータの模索や分析をし、可視化やデータ化を実現している。
さらに川下側では、インターネットのアイデアを活用して消費者に対しスムーズな購入や潤滑なやり取りなど便利な仕組みを用意し続けている。「トータルサイクル、トータルプロセス、トータルチャネル、トータルチェーン、全域運営」といった消費側のデジタル化システムを築いており、膨大な消費者とともに先端的な製品の分析システムを開発し、消費者の求める商品を相次ぎ打ち出し、より信頼される会社としている。
伊利は乳製品メーカーとして初めて、国際的な食品安全認証システムであるFSSC22000を全製品で取得した上、食品業界で初めてQbD(クオリティ・バイ・デザイン)認証を取得、中国の食品メーカーとして初めてSGS「ゴールド認証」の認定を受けた。さらには全国品質賞、中国品質賞候補賞、IDF食品安全創新賞、アジア品質卓越賞、TRACC優秀賞を獲得するなど、数々の優れた成果により食品業界で国際的なトップレベルの位置を見せつけた。消費者からの日ごろの信頼も厚みを増している。
品質とは、消費者にとって実際に利用する都度感じ取るものだ。伊利は「新鮮、安全、トレーサビリティー」といった面で、乳児の粉ミルクや大人のサプリメントについて、生産してから届けるまで28日間以内という「28日間新鮮購入」対応をし、デジタル化・知能化で実行を確約している。また、製品のQRコードを通じて育児の指導や栄養ガイダンス、そして健康管理の個別対応をするなど、製品をサービスの対応先にするという「製品コード健康サービス体系」を築いている。カンター・グループによると、伊利は市場普及率92.4%という数字をバックに年間のべ13億人という消費者を抱え、「消費者が最もよく選ぶブランド」に長年居座り続けている。
伊利が2007年に発売したオーガニック牛乳「金典」は、中国とEUでともにオーガニック認証を取得した初の商品となり、中国ではこの分野でトップブランドに上り詰めて、国産の高品質な牛乳が飲めるようになっている。伊利はまたこの年、中国初の低糖質牛乳「舒化奶」という同じく画期的な商品を製造し、乳糖不耐症の人でも牛乳のおいしさや栄養が味わえるようになった。「舒化奶」は今でも中国で機能性乳飲料のトップブランドであり、イノベーションの力で消費者の健康を守り続けている。
伊利はこのところ、ラクトフェリンの分離抽出や保護といった技術的問題に取り組み続けている上、「常温生菌貯乳技術」といった新たな成果で常によりよい健康的価値や利用の便利さをもたらしている。これまでに金典、安慕希、金領冠、優酸乳といった多数の品目を生み出し、トータルライフサイクルであらゆる品種をカバー、あらゆる場面に適した製品構成を築いて、栄養に対する消費者の様々なニーズに的確に応えている。

伊利集団の幹部は、「一杯のミルクから様々な品目まで、さらにはより高品質な栄養補助剤まで、一つ一つの成果がみな健康に対する使命感から生まれたものだ。消費者が必要としているもの、それこそわれわれが常に努力する道筋だ」と述べている。
伊利はこの30年間の売上高を見ると、1995年の2億元から1000億元以上と500倍以上の成長を果たし、中国乳製品メーカーとして破格の拡大を実現した。
また利益を見ると、上場当初の1996年には純利益0.33億元であったが2024年には115.39億元で、30年間でおよそ350倍に膨れ上がり、中国の乳業界で初の100億元突破企業となった。30年という長いスパンでROE(純資産収益率)は20%前後を維持しており、経営基盤が整っていること、またサイクルをまたがって価値を生み続けるという安定性が示されている。
こうした伊利の長期安定性について業界関係者は、力強さのある「バランス体系」に支えられていると見ている。単一品目に依存している従来の乳製品メーカーとは異なり、すべての品目をバランスよくステップアップさせており、乳飲料や清涼飲料でも業界トップを守っている一方、主力となる製品についても引き続き向上をはかっている。
また伊利は上場以来、株主への見返りを重視している。30年間で計26回の配当を実施し配当金総額は616億元、平均配当率はA株上場会社ではトップクラスの63.87%である。伊利集団のある幹部は、「これからも手厚い配当で株主に見返りをする。成長で得た分を株主への実感に変えて、確かで手厚い見返りを続けることで大勢の投資家へ長期的な価値の約束を果たしていく」と述べている。
伊利はまた、企業としての価値が上がることで製品も世界へ出回っており、品質やシステム的な実力が高く評価され、世界の乳製品メーカーとして上位20社からトップグループ入りへと大きな飛躍を果たした。
さらに長年の模索を経て、アジア、ヨーロッパ、アメリカ州、オセアニアなどで将来を見据えた一体化をはかり、世界の資源やイノベーション、マーケットをカバーする枢軸ネットワークを形成した。国際化への取り組みも「製品の輸出」から「エコロジー定着」へとトータルで格上げしている。そのシナジー効果として、ニュージーランドでは現地生産のラクトフェリンやカゼインなど優れた原料が乳幼児や大人向けのサプリメントなどの拡大を後押しし、100年も前から乳製品を手掛けているオランダでは羊乳の原料利用が進んでいるほか、羊乳バター会社を配下に収めて産業チェーンを整備するなど、鮮明な形が見えている。
伊利は現在、世界で研究開発・イノベーションセンターを15か所、生産拠点を81か所抱えており、5大陸で計60以上の国・地域へ製品を届けている。東南アジアでは「Joyday」というアイスクリームをインドネシアやシンガポールなど16か国に浸透させ、同じくアイスクリームブランドのCremoはタイで市場シェアがトップ3に居座っている。オセアニアでは、ニュージーランドの牧場でとれた良質の原乳から高級バター(ウエストゴールド=Westgold)や特定原料まで、「乳製品だけでなく技術も、量だけでなく価値も」といった外堀を築き上げた。北米では、ロサンゼルスで伊利初のフラグシップ店をオープンし、乳飲料、粉ミルク、清涼飲料、バターなど、アメリカの中国乳製品メーカーとしては最も多くの品種を販売している。またアフリカでは、Joydayのアイスがタンザニア上陸を果たし、現地初の中国の乳製品となった。首都のダルエスサラームでは主なスーパー65店舗で販売されている。
(中国経済新聞)
