2026年2月24日、広東省で開かれた「広東省高品質発展大会」において、華為技術有限公司(ファーウェイ)の会長である梁華は、2025年の売上高が8,800億元(約18兆4,800億円)を超えたと発表した。
この数字は、過去最高だった2020年の8,914億元(約18兆7,200億円)に次ぐ、過去2番目の水準となる。前年比の増加率は2024年の22.4%から約2.2%へと大きく鈍化したものの、売上規模は再び8,800億元台を回復した。
6年をかけたV字回復
売上高の推移を見ると、同社がこの数年で大きな変動を経験してきたことが分かる。
2019年:8,588億元(約18兆350億円)
2020年:8,914億元(約18兆7,200億円)
2021年:6,368億元(約13兆3,700億円)
2023年:7,042億元(約14兆7,900億円)
2024年:8,621億元(約18兆1,000億円)
2025年:8,800億元超(約18兆4,800億円超)
外部環境の影響で2021年に大きく落ち込んだ後、段階的に持ち直し、ほぼピーク水準まで回復した。今回の実績は、同社が6年をかけて成し遂げた回復の成果といえる。
「使える」から「使いやすい」へ――拡大する鴻蒙OS
梁氏は講演で、独自基本ソフト(OS)であるHarmonyOS(鴻蒙OS)の最新状況を強調した。
HarmonyOS 5およびHarmonyOS 6を搭載した端末は4,000万台を突破。利用可能なアプリやクラウドサービスは7万5,000件を超えたという。鴻蒙OSは立ち上げ当初の試練を乗り越え、本格的な普及段階に入ったことになる。

梁氏は「現在、鴻蒙OSは“使える”段階から“使いやすい”段階へ進んでいる」と述べた。金融、電力、エネルギー、交通、通信など、幅広い分野で導入が進んでいる。
その一例が、中国南方電網が主導するオープンソースの取り組みだ。異なるメーカーや種類の電力設備を一つのシステムで統合し、大量の端末データを相互接続できる仕組みを構築している。消費者向け電子機器から社会インフラ分野へと応用範囲を広げている点に、鴻蒙OSの基盤技術としての価値がある。
AI計算基盤を強化、「昇騰」を中核に
従来の端末事業に加え、人工知能(AI)向け計算基盤は同社の重要な戦略分野となっている。梁氏は、一体型サーバーやクラスタ型システムなどの製品を拡充し、急増する計算需要に対応する方針を示した。その中核となるのが、同社のAI向け半導体「昇騰」である。
2025年末時点で、業界の主要な大規模AIモデル43件が昇騰を基盤に事前学習を実施。200以上の公開モデルが昇騰環境に対応し、6,000件を超える関連ソリューションが実際に導入されている。
通信、政府、教育、金融、電力などの分野では、大規模並列処理を活用したソリューションが本格的に導入された。金融分野では融資リスク判定の精度が47%向上し、電力分野では供給計画の作成など基幹業務の効率が大幅に改善したという。
技術と協業で次の成長へ
売上高が8,800億元を超えた一方で、今後のさらなる成長には新たな取り組みが欠かせない。梁氏は、技術革新とエコシステムの拡充によって成長余地を広げる方針を示した。
技術面では、基盤となる大規模AIモデルや、端末向けの音声アシスタント、さらには自動運転向けAIへの継続的な投資を進める。クラウド、端末、車載分野を横断する総合的な知能化基盤の構築を目指す。
また、①デジタル基盤の強化、②開かれたAIエコシステムの構築、③鴻蒙OSエコシステムの共同発展――の三点を提起し、開発者やパートナー企業に参加を呼びかけた。
「技術の発展は、一企業だけで成し遂げられるものではない。協力と革新が不可欠だ」8,800億元超という実績は、回復の到達点であると同時に、新たな競争の出発点でもある。ファーウェイは、自社技術と開かれた連携を両輪に、次の成長段階を目指している。
(中国経済新聞)
