人気トイブランド「ポップマート(泡泡瑪特)」の看板キャラクターLABUBU(ラブブ)に、新たな「ミニ版LABUBU」(THE MONSTERS 心底密码シリーズ)が登場する。発売開始を前に、中国の二次流通市場ではすでに価格が跳ね上がり、特に隠しアイテムは定価の10倍以上に達するケースも出ている。

ポップマート創始者王寧さんが、ミニ版LABUBU発売を発表
「ミニ版LABUBU」は8月28日22時からオンライン販売がスタートし、翌日から実店舗でも取り扱いが始まる。商品はA/Bの2組構成で、それぞれ14種類の通常版と1種類の隠し版を含む。高さは約10.5センチで、単体価格は79元(約1,600円)、1組は1106元(約22,000円)に設定されている。
しかし、フリマアプリ「閑魚(シェンユー)」などの二次流通市場では、発売前にもかかわらず「予約出品」が活況を呈している。1組の最高価格は2450元(約48,000円)と、定価の倍以上に高騰。ある出品者は「公式サイトの注文情報を変更して発送する方式で、発売から3日以内に必ず届ける」とし、735元の予約金を求めている。

また、取引プラットフォーム上ではすでに764件が「販売中」と表示され、成約件数は251件に達した。直近では1日の取引量が81件に跳ね上がるなど、発売を目前に需要が急増している。
とりわけ注目を集めるのが「隠しアイテム」だ。定価79元の「隠し版・ハート」デザインは、最低でも679.5元で出品されており、8月25日には1188元や1100元での成約例も確認された。希少性の高い隠し版は、A/B組み合わせ方式により入手確率が1/168と極めて低いことから、“プレミア価格”がつきやすい。
ただし、市場価格はまだ安定していない。購入希望者の提示価格は1300〜2000元と幅広く、出品者の中には「1600元で即購入可能、予約金不要」と宣伝するケースもある。背景には、ポップマートの初回出荷量、転売対策の有無、消費者の反応、さらには公式の追加販売計画など、複数の要因が影響する可能性があるためだ。

一方、公式販売チャネルでは、天猫(Tmall)ポップマート旗艦店のページで「ミニ版LABUBU」をカートに入れたユーザーが42万人を超えていることが確認された。小程序(ミニアプリ)など他の公式チャネルでは予約数が未公表のため、実際の需要規模はさらに大きいとみられる。
「二次流通価格そのものが一種の“ブラインドボックス”になるのではないか」──LABUBU人気の過熱ぶりを象徴する現象は、発売日を迎えるとさらに広がりを見せそうだ。
(中国経済新聞)