若者主導の新潮流、中国の金製品消費に変化の兆し

2025/07/26 12:30

2025年上半期、中国の金消費量は505.205トンとなり、前年同期比で3.54%の減少となった。中国黄金協会が7月24日に発表した最新の統計によると、このうち金製の装飾品の消費量は199.826トンで、前年同期と比べて実に26%も減少した。一方で、金の延べ棒や金貨の需要は引き続き堅調で、264.242トン、23.69%の増加を記録した。産業用およびその他の用途による金の使用もわずかに増加し、41.137トンで2.59%の伸びを示している。

このような背景には、国際的な金価格の高騰がある。高値傾向が続く中、従来の重量感ある装飾品の購入は控えられるようになった。しかしながら、「軽量」「デザイン性」「高付加価値」といった特徴を持つ金製品には依然として人気があり、消費者の志向が「量」から「質」へとシフトしていることが読み取れる。これにより、金製品を扱う小売業者にとっては、販売数量が減少しても利益を確保できる構造が生まれている。

特に注目されるのは、若年層による金製品の需要の高まりである。中国黄金協会の報告によれば、18歳から34歳のいわゆる「Z世代」が、現在の金装飾品市場の成長を牽引しているという。彼らは従来の「貯蓄としての金」ではなく、「自己表現の手段」として金を選んでいる。金製アクセサリーは単なる装飾品ではなく、個性を表現する道具、また時には交流の話題となる「社交通貨」として機能している。

この現象は、インターネットや映像共有サイトの影響も大きい。金製品を用いたコーディネートやライフスタイルの発信が盛んになり、金製品がより身近でトレンド性の高いアイテムとして受け入れられている。いわゆる「金離れ」が進むどころか、新たな価値観のもとに再定義され、若者たちの生活の一部として再び脚光を浴びているのだ。

一方で、金の延べ棒など投資用商品の需要も依然として高い。市場の不確実性が増す中、安全資産としての金に注目が集まり続けている。ただし、これらの商品は単価が高い一方で小売マージンが低く、販売店にとっては利益の面ではさほど魅力的ではないとの声も聞かれる。

2025年上半期の中国における金の消費は、量的には減少しているものの、質的な多様化と消費者層の若年化が同時に進行しており、新たな市場の可能性を示唆している。今後、デザイン性と文化性を兼ね備えた製品が、さらに注目を集めていくことになる。

(中国経済新聞)