百度(バイドゥ)は、2000年1月1日に李彦宏(ロビン・リー)氏が北京の中関村で設立した中国最大のインターネット検索エンジン企業でAI企業でもある。
李氏は1968年生まれ。北京大学情報管理学部を卒業後、米国ニューヨーク州立大学バッファロー校でコンピューターサイエンスの修士号を取得。 卒業後は、ダウ・ジョーンズ社のシニアコンサルタントやウォールストリートジャーナルのオンライン版でリアルタイム金融情報システムの設計を担当した初期のコンピューターエンジニアであった。
1999年、李氏は中国のインターネット環境が熟していると判断し、中国に帰国。翌年には百度を設立し、インターネット分野の世界で最も有名なベンチャーキャピタルの一人である徳豊傑氏から1,000万ドルの投資を受けた。
創業からわずか5年の2005年8月にナスダックへの上場に成功した百度は、世界の資本市場で最も話題にのぼる上場企業のひとつとなった。
2013年、百度は李氏による指揮のもと、「自動運転車」の開発という夢をスタートさせ、8年間の苦労の末、2021年1月11日、百度は吉利汽車(ジーリー)と合弁でスマートカー会社「集度汽車」(ジードゥ)を設立し、車両メーカーとして自動車産業に参入すると発表した。
李氏は、今後2年から3年の間に、百度は中国全土の30都市にシェア型無人車サービスを拡大したいと考えていると語った。
百度の第一号車「ロボ・デイ」(ROBO DAY)は、「カーロボット」と定義されたL4レベルの自動走行が可能な車ロボットであり、人と自然なコミュニケーションをとることができるため、気配りのできる賢いパートナーとして、また、AIやビッグデータ技術に基づき、常に学習し進化し続ける能力を持った車ロボットでもある。
加えて、世界最高性能の車載用チップ「NVIDIA Orin」と禾赛科技(HESAI)の車載用半固体LiDAR 「AT128」がすでに「ロボ・デイ」(ROBO DAY)に搭載されており、自動運転の安全性は格段に向上している。
百度は、6月8日にオンライン発表会を開催し、同社初のカーロボット・コンセプトカーを公開する予定だ。また、2023年の販売開始を予定しており、販売価格は20万元(約380万円)以上としている。
(中国経済新聞 吉川綾乃)