このところ人気上昇中である中国発の電子商取引(EC)サイト「Shein」や「Temu」と争っているアマゾンが、電子機器やアパレル品など低価格商品の販売に特化したオンラインショップAmazon Haulを立ち上げた。
アマゾンは11月13日にブログで、「Amazon Haulは主に10ドル(約1559円)以下の商品を扱い、注文金額が25ドル(約3898円)以上の場合は無料で配達する」と発表した。商品は中国の倉庫からアメリカに出荷し、1、2週間で配達予定という。
Amazon Haulの商品はSheinやTemuと似通ったものが多い。中国のこれら2社はこのところ、低価格を売り物に若者層からかなりの注文を得ている。Sheinは主に若い女性を対象に流行のファッションをそろえ、Temuはアパレル、アクセサリー、キッチン用品など様々な商品を用意してコスパを求める消費者ニーズを満たしている。ところが2社とも、急速な対応モデルが環境に悪影響を及ぼしているとの批判を浴びており、一部の商品がアメリカなどの規制当局から目をつけられている。
Amazon Haulは現在、アマゾンのショッピングアプリやモバイルサイトでのみ利用可能で、売値が2.99ドル(約466円)のスマホカバー、くし、14.99ドル(約2337円)の袖なしワンピースなど、ノーブランド品が多い。また商品ページの広告で、バリュー性をアピールするため「Crazy low」「予算内で買い物」といった言葉を強調している。アマゾンのワールドワイド・セリング・パートナー部門担当バイスプレジデントであるDharmesh Mehta氏は、「お客様は極めて安い値段でいい品を買いたいと願っている。引き続きセールスパートナーとの提携方法を探って安いものをさらにお届けする」と述べている。
このほかアマゾンは、広告付きの無料ストリーミングサービスFreeveeを今週から順次閉鎖し、Prime Videoに統合するという大きな事業改革も発表した。Prime Videoは今後、すべてのPrime会員および非会員に対し、一部無料の広告付きコンテンツを提供するという。アマゾンは声明で、「Prime会員の閲覧内容は変わらず、非会員も引き続き無料で多くのストリーミングを見ることができる」と表明している。
アマゾンのこうした取り組みは、マーケットニーズをより満たすため、そして激しい競争を乗り切るための前向きな事業改革である。
(中国経済新聞)