中国・深圳市龍崗区坂田街道にある「深圳星河WORLD」園区に、世界初となるロボット6S店が2025年7月にオープンした。ロボット産業の集積地として知られる深圳に誕生したこの施設は、ロボットを「展示する場」から「実際に使い、検証する場」へと進化させる新たな試みとして注目を集めている。

ロボット6S店は、販売、部品供給、アフターサービス、情報フィードバック、レンタル、個別カスタマイズという6つの機能を一体化した施設だ。自動車業界の「4Sモデル」を発展させ、ロボット産業の特性に合わせた包括的なサービス体制を構築している。
店舗を運営する深圳未来時代ロボット有限公司の最高経営責任者(CEO)は、「6S店の最大の特徴は、データフィードバックとレンタルという二つの新機能にある」と語る。利用者の使用状況やニーズをリアルタイムで収集し、研究開発に迅速に反映させる仕組みを整えたほか、購入せずともロボットを体験・利用できるレンタルサービスを導入した。「ロボットが研究室から市場へ、技術コンセプトから日常生活へと広がっていくための架け橋になりたい」と強調する。
この6S店のもう一つの大きな特徴が、産業の上流から下流までが立体的に集積した空間構成だ。建物の上下階に部品メーカーと完成品メーカーが入居し、研究開発企業と実際の利用シーンを担う事業者が、常に対面で意見交換できる環境が整っている。これにより、意思疎通や物流にかかるコストが大幅に削減され、イノベーションのスピードが飛躍的に高まっているという。
施設内の「ロボット部品スーパー」には、サーボモーター、高精度減速機、知能化センサーなどの中核部品が集められている。ネジ1本から制御システム一式まで、ロボット製造に必要なすべての部品を一か所で調達でき、その場で互換性の確認や動作テストを行うことも可能だ。あるロボット企業の研究開発責任者は、「以前は適合するセンサーを探すだけで数週間かかっていたが、今ではここで一括して揃えられる」と、その利便性を高く評価している。

さらに6S店では、今後「ロボット実用シーン検証センター」の整備も進められる予定だ。家庭、病院、工場、商業施設などの実際の使用環境を再現し、ロボットの動作の安定性や安全性、対話の自然さなどを総合的に検証できる。オープンイベントでは、デジタル華夏が発表した「金・木・水・火・土」をテーマとする5体のヒト型ロボットが、同センターでの多様なシーン検証を経て世界で初めて公開された。
龍崗区人工知能(ロボット)署の趙冰冰署長は、「資金支援や人材育成、実証フィールドの開放などの施策を通じて、龍崗区を世界のロボット産業における技術革新の発信地、産業エコシステムの集積地、実用化のモデル地区として育てていきたい」と述べた。
“中国のスマート製造”を代表する都市・深圳では現在、没入型の新しい消費体験を提供する小売空間づくりも進んでいる。商業施設内のテクノロジー系店舗では、身体性を備えたロボットや3Dプリンター、スマートグラスなどを実際に体験でき、買い物を楽しみながら「未来の暮らし」を身近に感じられる環境が整いつつある。ロボット6S店は、こうした深圳の進化を象徴する新たな拠点となりそうだ。
(中国経済新聞)
