中国の第14期全国人民代表大会第4回会議が3月5日、北京の人民大会堂で開幕した。国務院の李強首相が政府活動報告を行い、この1年間の中国の経済・社会発展の成果を総括するとともに、2025年の発展が「新たな質の高い段階」に向けて力強く進んでいると強調した。一方で、2026年の経済成長率目標については「4.5~5.0%」に引き下げる方針を示した。

李首相は報告の中で、過去1年間、中国はイノベーション主導の発展を堅持し、現代的な産業体系の構築を加速させたと指摘した。科学技術強国の建設に向けた戦略を全面的に推進し、国家レベルの戦略的科学技術力の強化、地域イノベーションシステムの整備、基礎研究や先端分野の体系的な配置、コア技術の突破を進めたとしている。社会全体の研究開発(R&D)投資の対GDP比は2.8%に達し、技術契約の取引額は前年比10.8%増加した。
また、科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合が加速し、伝統産業の高度化が進む一方、新興産業や未来産業が活発に発展し、現代サービス業も高い成長を維持した。重点分野では国家標準583件を制定・改定。製造業のデジタル化や「人工知能(AI)+」行動計画を継続的に推進し、産業分野での応用が広がる中、新型のスマート端末も相次いで登場した。データ要素の潜在力も急速に引き出され、デジタル経済の中核産業がGDPに占める割合は10.5%以上に拡大した。
さらに李首相は、2025年の中国の発展は「新質生産力」を着実に育成し、活力に満ちた姿を示していると述べた。人工知能、バイオ医薬、ロボット、量子技術などの研究開発と応用は世界最前線の水準にあり、半導体の自主開発でも新たな突破を実現したとした。宇宙探査機「天問2号」が探査ミッションを開始し、北斗衛星測位システムの大規模利用が拡大。雅礱江下流域の水力発電プロジェクトが着工したほか、国産電磁カタパルト搭載空母の福建艦が正式に就役した。また、中国発の大規模言語モデルが世界のオープンソース・エコシステムをリードしているとも強調した。

産業構造の高度化も続き、高技術製造業と装備製造業の付加価値はそれぞれ9.4%、9.2%増加。工業用ロボットと集積回路の生産量はそれぞれ28%、10.9%増となった。新エネルギー車の年間生産台数は1600万台を超え、電気自動車の充電設備は2000万基を突破。GDP当たりのエネルギー消費量は5.1%減少し、生態環境の質も継続的に改善しているという。
李首相はまた、今年の重点任務として、イノベーション主導による新質生産力の発展、現代産業体系の加速的構築、内需拡大、リスク防止、民生保障の強化などを挙げ、中国経済の持続的な回復と好転を推進し、第14次5カ年計画を高い水準で完遂すると強調した。
中国政府は2023年以降、3年連続で経済成長率目標を「5%前後」に設定し、いずれも5%の成長を達成してきた。しかし、経済の減速感が強まる中、2026年の成長率目標を「4.5~5.0%」へ引き下げる方針を示した。
(中国経済新聞)
