中国政府、都市部の用地不足の緩和に向け地下空間の開発を支援

2024/09/15 07:30

中国自然資源省は9月12日、「都市部地下空間の開発や利用の探索や推進に関する指導意見」として、健全な都市部地下空間の開発利用政策体系の確立、都市部地下空間の秩序ある開発や利用の探索や推進、経済や社会の質の高い発展へ空間や要素を確保するという方針を発表した。

地下空間とは地面より下の空間を指し、開発は地上と一体化した総合開発と地下のみの開発に分ける。主な用途は駐車場、商業施設、軌道交通、避難施設、倉庫、導管などである。

「2023年中国都市部地下空間発展白書」によると、都市部の地下空間における建物面積は2022年末現在で2962平方キロメートルとなっている。中国冶金地質総局鉱産物資源研究院が先ごろ実施した、全国337都市における資源調査によると、地下空間の資源量は9000平方キロメートルという。利用率を平均レベルの64%とし、3階分を利用すると想定した場合、少なくとも1.7万平方キロメートルが利用可能となる。

地下の開発利用についてはこのところ、一部の都市で効果を上げている。江西省景德鎮市では、電力、通信、放送、給排水、暖房やガスの供給など、公共のケーブルや配管など延長32.32キロメートルにわたるラインが形成されている。

北京市石景山区では、市街地の再開発地域での旧型マンションにおける駐車場不足を解消するため、地下に公共駐車場を建設する予定である。区は新たな地下空間に対し、商業施設を設ける際は地元のレイアウトや開発の程度に合わせるように指示している。今回建設される地下駐車場は、地上の緑地公園に対応するものとし、計1660台分のスペースが用意される。

(中国経済新聞)