台湾の「聯合報」によると、新型コロナウイルスのオミクロン株が流行の第6波を迎え、先週は合併症による入院患者の数が前週の329人のほぼ倍となる623人であった。また死亡者の数も同じく前週の20人から38人に増えている。台湾の衛生福利部疾病管制署の曽淑慧(Zeng Shuhui)報道官は、「感染力の強いKP.2やXDV.1の割合が増えつつあるが、『XBB』のワクチン接種率は全体でまだ11%なので早く接種してほしい」と呼びかけている。
疾病管制署の研究所によると、現在主流のウイルスはコロナ変異株の「JN.1」で60%を占めており、派生株である「KP」系の「KP.2」や「KP.3」などの割合が増え続け、前者は13%、後者は9%となっている。
曽報道官は、「KPは重症化し感染力も一段と強く、一段と警戒すべきだ」と述べている。また、「XBB対応のワクチンを接種すれば感染しても重症化や死亡の危険性が大幅に減るが、現在は1回目の接種率が11%にとどまっており、モデルナ製が286.9万人分、ノババックス(Novavax)製が4.1万人分あるのでどんどん接種してほしい」とも述べている。
台湾大学病院の副院長で家庭医学科の黄国晋教授は、「最近は感染者のうち高齢者の割合が2~3割に増えており。重症化する可能性が高いので医師の判断で入院させている。改めて危機感を持ち、アルコール、検査キット、マスクなど感染対策品を用意し、早めにワクチン接種をするように」と呼びかけている。
(中国経済新聞)