6月1日の「子供の日」が過ぎた中国で、「保険料1億元」(約21億円)の莫大な契約が話題となっている。
SNSを見ると、この保険証書には「喜報」と書かれており、中郵人寿保険(以下「中郵人寿」)の「郵愛一生年金保険」となっている。
代理店のグループチャットによると、この保険の契約者は1億元(約21億円)を一括納入しており、被保険者(受益者)は「0歳児」で、5歳から每年300万元(約6,500万円)の年金が生涯給付されるという。さらには保険料の1億元(約21億円)も最終的には被保険者に相続人として返還される。
「喜報」の下には小さい字で「この保険料の納入方法は全納(全額を一括納入)で猶予期間は終了」と書かれている。
保険の営業担当の林琳さん(化名)はこのプランについて、「早期受給タイプのもので、一番の特徴は5年目から一定額が受給されること。資産運用的な側面もあり、高額預金に相当するものと言える」と話している。長期収益率(IRR=内部収益率)は2.85%前後という。
林さんが示した保険料対応の保険金早見表を見ると、この契約について、被保険者が0歳で1億元(約21億円)を一括納入した場合は、5歳以降毎年300万元(約6,500万円)の年金が支給される上、4歳で一時金として1000万元(約2億1,500万円)の「思いやり手当」も支給される。
今回の契約書を見ればその通りになっている。「郵愛一生年金保険」の契約条項によると、保険料を一括納入すれば保険の効力発生日からちょうど5年目となる日に納入額X10%の「思いやり手当」を給付する、と書かれてある。よって4歳で1000万元(約2億1,500万円)を受給することになる。さらに契約日起算で満6年目となる日から、毎年一定額の「生存年金」を給付する。ただしその給付額の算定根拠は書かれていない。
中郵人寿は2009年に設立され、中国郵政集団を持ち株会社とする中国最大規模の銀行系生命保険会社である。2023年第4四半期の償還能力レポートによると、2023年の保険事業における収入額は1098.66億元で、生命保険会社として7社目の1000億元越えを果たしている。
(中国経済新聞)