自動車の保有台数や利用台数が世界トップとなった中国は、中古車の数も増え続けている。こうした中、商務省など5つの政府部門が、全国的に中古車の輸出に力を入れていくとの方針を発表した。北京、天津など10か所で2019年から実施し、成果を収めた政策を土台としたものである。
中国の中古車輸出はここ5年間で大きく伸び、140以上の国や地域に販売している。輸出台数は2021年が約1.5万台で、2022年はその350%増となる6.9万台であった。このうち新エネ車がかなりの割合を占めており、特に天津の東疆総合保税区では中古の新エネ車が輸出事業の主力品となっている。
主な販売先は中央アジア5か国、アフリカ、東南アジアの一部で、2022年からロシアやヨーロッパの一部もかなりの割合を占めている。輸出手続きの簡素化や産業体系の整備で、中国製中古車は一段と国際化している。河南今友実業は「輸出の事前申告+税関移転」とのモデルにより、搬送、積み下ろし、管理を一括で行い、通関に要する時間を大幅に短縮している。
また国の政策も中古車の輸出増を後押ししている。国家発改委などが2019年以降、税還付の実行強化や事業の本格的な支援など、自動車の購入や中古車の輸出を促す策を相次ぎ打ち出している。輸出会社は車の査定や評価をする体制を設けた上、品質や安全基準を厳しく守ることとし、その一方で国際競争力を備えるべく海外での整備点検体制やアフターサービス店の設置を促している。
ただその一方、中古車輸出業は業界参入へのハードルやアフターサービスの確保、資金面といった課題も多分に存在している。今後はさらに産業チェーンを整備し、海外でのサービスやサポートを強化するとともに、海外での成功例を参考として中国にふさわしいビジネスモデルを探り、「海外進出」と「国内導入」という2つの目標を達成して、世界的なブランドイメージを打ち立てていく。
(中国経済新聞)