6月19日、中国の通販サイト各社が5月末から実施していた大型セール「618商戦」の実績を発表した。年間の消費イベントとして経済動向を見極める大きな窓口になっていると業界内で見られるこのセールで、今回は新たなハイライトやトレンドで消費の活力や拡大の余地が示された。
このうち大手の京東は6月19日の深夜、6月18日23時59分までの結果として購入者の数は前年比100%以上の増加となり、オンラインや現場側、およびデリバリーを合わせた注文件数が22億件以上と、いずれも過去最高となったと発表した。

またTmalも利用者数やアクティブ性が過去最高で、期間中の売上高がかなり増えた。6月18日24時現在で、453の銘柄品で1億元を超え、前年比24%増加を果たしている。
さらに下取り対象となる消費財について、「政府補助金」の後押しも加わって数量がかなりの伸びを示し、どのサイトも活況を呈した。Tmallは今回のセールで、補助金対象の品目の取引額が去年の「ダブルイレブン」よりも116%プラスとなった。家電やインテリア品、デジタル製品などの売上高は前年比二桁増を記録し、113の銘柄品が1億元を超え、9200以上の品目が2倍増を果たした。
また蘇寧易購は、5月16日~6月18日のセール期間中、主要電子機器について下取り購入が大幅に増え、注文量は63%増、店舗を訪れた人の数は前年同期比105%増であった。
中国のシンクタンク「数実融合50人論壇」の洪勇氏は、「5月中旬から1か月あまり続いた今年のセール期間は、記念日である5月20日や端午節などもあって大変活況だった。また政府の支援策などにより消費財の下取りも好調で、売り上げ増に貢献した」と分析している。
今回の「618セール」は、特色として品質へのこだわりや趣味の広がりが挙げられる。
消費財の下取りについては、買い替えの際に「グレードアップ」を求める傾向があり、高機能で仕様のいい商品を求めるようになった。蘇寧易購によると、「618セール」では1万元以上の家電品の売上高が前年比122%増で、高機能品や健康グッズ、ビルトイン型の品がとりわけ好調であった。デジタル製品の売上増加率を見ると、ノートPCが125%、スマートウォッチが144%、6000元以上のスマホが79%となっている。
また、趣味の広がりでアートトイや宝石、アクセサリー、ペットなども人気商品となった。Tmallではセール期間中、アートトイの6つの銘柄品で売上高が1億元を超え、「グッズ」では1000万元を超えた品目が10件以上あった。金宝飾品も人気で「老鋪黄金」は売上高10億元以上を数え、さらにペット業界では鮮朗、麦富迪(MyFoodie)、弗列加特(Fregate)など6つの銘柄が売上1億元を超えた。
ショッピングガイドアプリの「什么値得買」(Shenme zhide mai)によると、今回のセールでポップマートはGMV(流通取引総額)が前年比53.60%増となり、中でもLABUBUは231.91%増であった。アリエクスプレス海外版での初めてポップマートのライブコマースでは即完売となり、中国製アートトイの海外普及を加速させた。
年中行事の商戦とも言える「618セール」は、消費の可能性や新たな活力を見極める重要な窓口でもある。国家統計局の広報担当は先ごろ、2025年5月の国民経済の動向に関する記者団の質問に対し、「今年の『618セール』は5月13日から始まり、消費財の下取り策も相まって売れ行きがかなり伸びた。1~5月のオンラインでの商品売上高は前年比6.3%増で、1~4月を0.5ポイント上回り、一般消費財全体に占める割合は24.5%だった」と述べている。
(中国経済新聞)