中国、たばこ一箱平均384円 うち葉代が11円、税が186円

2023/11/6 08:30

対外経済貿易大学の世界保健機関(WHO)たばこ抑制・経済政策協力センターが「たばこ消費税改革およびたばこ業界全産業チェーン研究」を発表した。中国は2020年、たばこ一箱の加重平均小売価格が18.69元(約384円)で、産業チェーンの各部分における一箱あたりの税収や原価、利益もはじき出している。

これによると、中国ではたばこを一箱買う都度、平均0.52元(約11円)のたばこ葉代を支払い、たばこ業界の職員に0.87元(約18円)の賃金を与え、さらに9.05元(約186円)の税を納めている。つまり、一箱の代金のうち48.4%が税金である。

この税の内訳について、消費税が65%、増値税が24%、付加税が10%、たばこ葉税が1%である。消費税の割合が最も高いことについて、国家税務総局に近い税の専門家によると、たばこの消費量を減らすためという。

この研究結果を執筆した、対外経済貿易大学国際経済貿易学院の鄭榕教授は、「たばこ一箱における税の割合が48.4%に達しているが、まだ上げられる余地がある」と述べている。その理由について、①パターンの推計から、税の割合が78%となって初めて「成人喫煙率を20%に下げる」との目標が達成可能。②たばこ消費税の税率は2015年から据え置きであるが、喫煙者はたばこ代を払える経済力が向上。増税の最終目的は値上げであるが、一箱の小売価格はここ7年間(2013-2020年)で4.43元(約91円)の値上がりにとどまり、さほどの「重税感」がない、とのことである

喫煙者の削減に長年取り組んでいる、ある公衆衛生の関係者は、「たばこ税増税」の効果に慎重な見方を示す。「増税した2015年はかなり消費量も落ちたが、長続きはしなかった。最近5年間は喫煙者数もさほど減っておらず、増税しても効果は望めない」という。

(中国経済新聞)