遼寧省、870億元の特殊債を発行

2023/10/15 20:30

遼寧省財政庁は10月12日、地元政府の現債務返済用として870.42億元(約1.78兆円)の特殊再融資債券を発行したと発表した。中国全体で、特殊債の発行は内モンゴル自治区、天津市に次ぐ今年3地域目であり、発行額は内モンゴルに次ぐ2番目である。

地方での特殊債発行は、返済すべき隠れ債務の一部を置き換えるもので、期限の延長や利息の低減で債務リスクを軽減することが目的である。遼寧省は今回、リスク緩和をすべく高額な限度額の債務を手にした。

遼寧省は東北地区における経済の「先導役」であり、ここ数年は経済成長率、経済規模、歳入のいずれも中国全体の中ほどに位置している。ただ、新型コロナウイルスや生産過剰の抑制、国内外の景気の後退などといった影響も受け、さらに減税や経費削減、不動産市場の低迷などにより、地方政府の歳入が伸びなくなっている。

遼寧省財政庁のデータを紐解くと、2015年は一部の市や県で水増し分を是正し正確な数字を計上したことなどで、一般公共歳入は2014年の約3191億元(約6.54兆円)から2126億元(約4.36兆円)とおよそ3分の2に減った。

歳入はその後少しずつ増えていったが、2020年以降はコロナなどの影響で圧迫されている。2021年にはコロナが落ち着いたことで微増の約2765億元(約5.67兆円)となったが、2022年はコロナの影響が甚大で、さらに大規模は税の還付や減税の実施などもあり、歳入額は全国31の省・自治区・直轄市の中で18位となる2525億元(5.18兆円)に減ってしまった。

(中国経済新聞)