香港連合取引所は9月26日、ホームページ上で、アリババグループ傘下の物流サービス「菜鳥智慧物流網絡」(以下「菜鳥」)が、シティーバンク、中信証券、モルガンチェース銀行をスポンサーとして上場申請したと発表した。
菜鳥の目論見書によると、2023 年度の売上高は778 億元(約1.59兆円)で、ここ3年間の平均成長率が21%であり、EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息、および減価償却費を加算
)は28 億元(約571.3億円)以上となっている。菜鳥は、「通販・テクノロジー」という独自の土壌をもって事業改革を続け、物流界の基準を打ち立て直し、様々な事業で業界トップに立っている。
また目論見書では、2023 年度、海外への小包配達件数は15 億件以上、貿易を手掛ける会社やブランド10 万社以上と取引対応し、通販で輸出・輸入とも世界トップであると表明している。
アリババはこの日の朝、香港証券取引所で、菜鳥の株式を世界で売却するという形で分割する(香港での公開売却および海外への売却)と発表している。アリババは、菜鳥を分離した後も株式保有率を50%以上とし、引き続き同社を子会社とする。
アリババグループ取締役会会長兼最高経営責任者の張勇氏は今年 3 月 29 日午後、全社員に対し、「1+6+N」という組織改革を実行するとのメールを送信している。条件を備えた事業グループや会社は資金調達したり上場したりすることが可能になる。
この「1+6+N」について、「1」とはアリババグループを指し、「6」は阿里雲智能(アリクラウドスマート)、淘宝天猫商業(ネット通販)、本地生活(国内ローカル生活サービス事業)、菜鳥、国際数字商業(Global Digital Commerce)、大文娯(デジタルメディア・エンターテインメント事業)の各事業グループを、「N」は他の事業に従事する傘下の会社を指す。菜鳥はこの戦略発表を受け、各事業グループの先頭を切ってIPO を目指すことになる。
(中国経済新聞)