新型コロナウイルスの規制が撤廃されて以降、中国では人材の流動が活発化している。
獵聘ビッグデータ研究院が発表した「2023年上半期の人材流動と給与動向報告書」(以下、「報告書」)によると、過去2年間と比べ、2023年上半期における人材の流動は明らかに増加している。
報告書によると、2023年上半期における人材誘致が最も多い都市は、上海が全体の10.15%、北京が7.86%、深センが7.32%を占めトップ3にランクインした。広州は5.97%で4位、杭州は4.95%で5位となった。成都、蘇州、南京、武漢、重慶、西安はいずれも2%を超え、6位から11位にランクインした。
アモイ(厦門)大学経済学部の丁長発准教授は、長江デルタ、珠江デルタなどの産業集積地には、1、2級都市が多くあり、産業チェーンが非常に完璧且つ新産業が非常に発展しており、人材にとって選択肢が多いだけでなく、都市間の移動コストが低く、人材吸引力が大きいと分析した。
また、2017年からは全国的に「新一線都市」への人材誘致が活発化している。「新一線都市」とは、新一線都市研究所によって毎年選出される複数の領域で競争優位性のある15都市。2023年は成都市、重慶市、杭州市、武漢市、蘇州市、西安市、南京市、長沙市、天津市、鄭州市、東莞市、青島市、昆明市、寧波市、合肥市が選ばれた。
新一線都市への人材誘致は、2017年の29.8%から2022年には35.3%へと上昇、北京や上海など1線都市の水準に近づいている。報告書によると、新一線都市への人材誘致が好調な背景には、電子・半導体・集積回路などハイテク産業や振興産業の発展が多くの人にとって魅力となっている。
(中国経済新聞)