ここ数年、大学生の就職難が社会的な関心事となっている。中国の卒業シーズンにあたる昨年6月、大学の卒業予定者は1078万人で、初めて1000万人を突破した。最近では公務員に「腰掛け就職」しようとする新卒生が増え、倍率も非常に高くなっている。統計によると、2022年の公務員試験受験者は1422万人、そのうち筆記試験の合格者は9万1045人で、合格率はわずか6.4%だった。
多くの学生が就職先を見つけられずにいる中、中国国家重点大学ではない北京電子科技学院が一際注目を浴びている。
北京電子科技学院(Beijing Electronics Science&Technology Institute)は、1947年設立の「中央工委青年幹部訓練班」が前身。1992年に国家教育委員会の認可を受け現在の「北京電子科技学院」となった。1993年には中国共産党中央弁公庁の決定により1948年に毛沢東が名誉校長、劉少奇が校長を務めた中南海業余大学と統合した。
同校は、中国共産党中央弁公庁に直属する党機関で電子情報や情報セキュリティを専門とする人材の育成を目的としており、卒業前には、卒業生全員が国家公務員試験を受験できるよう対策が取られている。また受験後には、全国の各省・区・市から採用者が直接大学に訪れ地域のニーズに合わせて人材を募集、同校も積極的に推薦を行い各省・市の党機関へ優秀な学生を送り出している。
統計によると、2021年の同校卒業生は421名、そのうち就職者は404名、修士課程への進学者は17名で学校全体の就職率は95.46%となった。また就職者404名のうち、党機関への就職者(公務員)は394名で就職者全体の93.59%を占めている。
(中国経済新聞)