酒造メーカーの五糧液集団、四川航空に50億元を融資

2023/01/7 12:30

四川省の酒造メーカー・五糧液集団から四川航空への追加融資額が2022年末にすべて集まり、四川航空の株式増資が完了した。

五糧液は今回、資金が逼迫している四川航空を救うため、傘下の航空業資産における株の増資へ50億元(約978億円)を出資した。四川航空は、同業株主からも同じく融資を受けている。

コロナ禍で融資を獲得したのは四川航空だけでない。中国の航空業界はこの3年間で累積赤字が3000億(約5.86兆円)に達し、各社とも債務超過であって、融資で生き残ったケースも多く、中には経営権を奪われた会社もある。

大手3社である中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空はいずれも2022年7月に30億元(約587億円)の追加融資を受け、アモイ航空は筆頭株主の南方航空から40億元(約782億円)を、債務超過に陥っていた山東航空は中国国際航空と山東高速から100億元(約2000億円)の融資を受けている。

また海南航空、吉祥航空、春秋航空、華夏航空も相次ぎ上場企業による特定融資を受けている。

さらに、長竜航空が浙江省財政庁や杭州市蕭山区財政局の傘下企業の融資を受けなど、数ある非上場の航空会社が地元政府の「援助」を得ている。

青島航空は青島国資に株式を100%買収され、湖南国資が紅土航空に増資して2番目の株主となり、瑞麗航空が無錫地方国資に支配されるなど、コロナ禍で地方政府に経営権を奪われた例も多い。

民航局が発表した2022年上半期のデータを見ると、債務超過の航空会社は2021年よりまた5社増えて12社となり、今なお多くの会社が資金援助を待っている。

(中国経済新聞)