12月14日、中国の家電大手、国美零售(GOME Retail Holdings Ltd. 以下、国美)は、黄光裕(Huang Guangyu)氏が100%出資するShinning Crownが、国美に対して2億香港ドル(約34.9億円)の無利子無担保融資を行うことに同意し、融資契約を締結したと発表した。
12月8日に国美は、Shinning Crownが国美に対して1.5億香港ドル(約26.1億円)の無利子無担保融資を行うことに合意したと発表していた。黄氏が今回の融資と合わせて合計3.5億元(約61億円)の無利子無担保融資を国美に対して行うことは、国美を変革するという黄氏の強い決意の表れでもある。
国美の関係者によると、黄氏が行う無利子融資には二つの目的があり、一つは国美の流動性を高めるための支援、もう一つは職員の給与問題に対する解決策となっている。また、今回の融資は、黄氏が国美の株を安く値下げしたことで得た資金によって行われる。
中国の大手家電量販店として、国美が苦境から迅速に抜け出せるかどうかは、従業員、サプライヤー、顧客、消費者の利益、量販店に対する投資家の投資信頼にも関わってくる。
国美は、全国30地域で不採算の小型店舗を閉鎖し、収益性の高い大型店舗を維持する一方、また、フランチャイズやその他の参加形態を自由化することで、不動産所有者、店長、代理店などから人材を募っている。
国美の上級幹部によると、従来の小売販売とは異なる宣伝やライブ配信などの方法で、国美は「社群(コミュニティーグループ)」においてマーケティング力を発揮したいと考えている。今月は、第1回「国美杯」(出場者が販売スキルを競う大会)が開催され、来週には出場者によるライブ配信が行われる予定となっている。
また、国美は動画投稿プラットフォーム「抖音(Tiktok)」の生活関連サービス事業「抖音本地生活」を使って、「抖音」や中国のショート動画アプリ「快手(Kuaishou)」でライブ配信を行なっている。
(中国経済新聞)