董明珠氏:優秀な社員を軍営へ送り続ける理由

2026/03/12 08:30

董明珠氏は、強い実行力で知られる経営者であると同時に、長年にわたり国防支援に取り組んできた実業家でもある。全国人民代表大会代表を務め、格力电器の会長として企業経営を担う同氏は、一般社員から経営トップへと上り詰めた人物として知られ、「世界に中国製品を愛してもらう」との理念を掲げて企業の発展を牽引してきた。

2023年3月、格力電器は全国初の「社会的な国防支援に取り組む企業」に選ばれた。さらに2024年の全国人民代表大会・政治協商会議において、退役軍人専門メディアの取材に対し、董氏は「格力電器は毎年社員を軍隊に送り出している」と述べ、企業として継続的に国防支援を行っている実態が注目を集めた。

格力電器は2019年以降、6年連続で優秀な社員を軍隊へ送り出しており、これまでに合わせて122人が入隊している。こうした取り組みが評価され、同社は2021年と2022年に「珠海市の徴兵活動に貢献した先進企業」に連続して選ばれ、地域における模範的な企業とみなされている。

退役軍人の雇用面でも、同社は積極的な姿勢を示している。2019年以降に新たに採用した退役軍人は合わせて625人に上る。こうした継続的な受け入れにより、現在、同社グループ全体で働く退役軍人は1,453人となっており、退役軍人の安定した雇用拡大が着実に進んでいることがうかがえる。

入隊する社員が増える中、退役後も安心して職場に復帰し、能力を十分に発揮できる体制づくりも進められてきた。2021年には、珠海市退役軍人事务局の支援を受け、社内に退役軍人向けの支援センターを設置。担当職員を配置し、教育や職業訓練、関連制度の周知、慰問活動など、幅広い支援を行っている。

人材育成の面でも具体的な成果が出ている。これまでに56人が専門技能の資格を取得し、50人が学歴向上を実現したほか、技能競技で入賞する退役軍人も現れている。さらに同社は毎年、建軍記念日に合わせて退役軍人を支援する活動を実施しており、これまで7年連続で合わせて93人を「最も優れた退役軍人」として表彰し、社内の模範として顕彰してきた。

制度面の整備も着実に進んでいる。2024年には軍隊での服役期間を勤続年数に換算し、給与や福利厚生に反映する制度を導入した。これにより、「服役期間を勤続年数に含める」「退役後の職場復帰を保障する」「昇進の際に優先的に評価する」といった一連の支援制度が整い、退役軍人の長期的な職業生活を支える仕組みが確立された。

董氏のこうした取り組みは、企業経営と社会的責任を結び付けた実践例といえる。優秀な人材を国防の現場へ送り出すと同時に、退役後の人生設計まで支え続ける企業体制は、民間企業による国防支援の新たな模範として注目されている。

(中国経済新聞)