中国最長の海上橋計画が前進 上海―寧波「海上通道」を国家計画に明記

2026/03/13 12:15

中国政府が策定中の「第15次五カ年計画(十五五)」の綱要草案に、上海と寧波を結ぶ大型インフラ事業「上海―寧波海上通道」の推進が盛り込まれた。投資額は1000億元(約2兆円)を超えるとされる巨大プロジェクトで、国家計画に再び組み込まれたことで、正式着工に向けた動きが最終段階に近づいたとみられている。

現在、上海と浙江省の間に広がる杭州湾にはすでに複数の海上橋が架かっている。代表的なのが、2008年に開通した全長36キロの杭州湾海上大橋である。この橋の開通によって、上海―寧波間の移動時間はそれまでの4~5時間から2時間余りへと大幅に短縮された。

(緑線路:建設完成。点線:建設企画中)

しかし、建設から10年以上が経過した現在、杭州湾海上大橋の交通量は飽和状態に近づいている。大型連休などには慢性的な渋滞が発生するようになった。さらに、この橋は自動車専用橋であるため、高速鉄道は依然として杭州を経由しなければならないという課題も残っている。

こうした状況を受けて建設が進められているのが、蘇州・嘉興・寧波を結ぶ「通蘇嘉甬鉄道」である。この路線には杭州湾を横断する新たな鉄道橋が建設され、蘇州、嘉興、寧波を直接結ぶ計画となっている。完成すれば、上海―寧波間の高速鉄道の所要時間は現在の1時間半以上から約50分へと短縮される見込みで、2027年ごろの開通が期待されている。

それでも、長江デルタ地域で増え続ける交通需要を考えると、既存の海上ルートだけでは将来的に十分とは言えない。こうした背景から構想されたのが「上海―寧波海上通道」である。

計画によれば、この通道の全長は約70キロに達し、完成すれば中国最長の海上橋となる見通しだ。総延長55キロの港珠澳大橋を上回る規模となる。さらに、この通道は道路と鉄道の両方を備えた道路・鉄道併用型インフラとして設計されており、高速道路に加えて高速鉄道または都市間鉄道の敷設も想定されている。

新しいルートは杭州湾海上大橋を迂回して上海と寧波を直接結び、距離を数十キロ短縮する。自動車での移動時間は約1時間程度に短縮され、高速鉄道の場合は「30分圏」の交通圏が形成される可能性もある。

さらに、中国ではこれに続く大型プロジェクトとして「上海―舟山―寧波海上通道」の構想も進んでいる。全長は約160キロとされ、上海臨港から大洋山、舟山を経て寧波市北侖区へと至る計画だ。上海と寧波という2つの経済規模の大きい都市を結び、中国最大級の港湾群を貫く交通回廊となる。

現段階では、上海―寧波海上通道が国家「十五五」計画に盛り込まれたことで、まずはこちらの事業が優先的に進められる見通しである。一方、規模や技術的難易度がさらに高い上海―舟山―寧波海上通道については、実現までにより長い時間を要するとみられている。

長江デルタ地域は中国で最も経済活動が活発な地域の一つであり、交通インフラの整備は地域の一体化を進めるうえで重要な鍵となる。新たな海上通道の建設は、上海と浙江沿岸都市の結び付きをさらに強め、広域経済圏の発展を支える基盤になると期待されている。

(中国経済新聞)