中国自動車メーカーのBYDと蔚来(NIO)が、9月下旬から相次ぎヨーロッパ進出計画を発表した。2社とも一般向けの商品販売以外の事業も手掛ける模様である。
BYDは、カーリース会社のSIXTに対して今後6年以内に新エネ車を計10万台以上販売する。最初のEV数千台は今年第四四半期から納入開始し、当面はドイツ、イギリス、フランス、オランダに流通させる。
関係者によると、「リース会社に10万台売るということは、単にヨーロッパで10万台分の売上を出すのにとどまらず、今後街中に続々と車が見られることでヨーロッパでのBYDの知名度や注目度が高まる」と述べている。
一方の蔚来は「地元密着」を狙う。10月8日に行われたNIO Berlinで、「ドイツ、オランダ、スウェーデン、デンマークで製品やサービス体系、新たなビジネスモデルを定着させる」と発表した。また、すでにヨーロッパのカーリース最大手LeasePlanとサブスクリプションでのリースを進めることで合意している。
蔚来の秦力洪(Qin Li Hong)総裁は、ドイツなどヨーロッパ4か国で実行している「サブスク方式」は「トータルカバー」という新たなビジネスモデルを目指すものと言う。李斌社長は、「他の自動車メーカーのモデルとは違い、これら4か国におけるリース料は充電以外すべて込みである。他社の場合は車の分とそれ以外のサービスが別である」と言い、車自体がサービスとなるという。
ボストンコンサルティングのレポートでは、ヨーロッパやアメリカでのサブスク利用台数は2030年までに500万台~600万台になり、新車販売の15%を占めて市場価値は300億(4.37兆円)~400億ドル(5.83兆円)に達し、中でもヨーロッパが最大の市場となるという。ヨーロッパでは現在、D、E、Fクラスの主な高級車市場で、サブスクやリースなど利用権方式によるものが60%を占めている。
(中国経済新聞)