永興材料とCATL、516億円の合弁事業が頓挫

2022/09/7 16:10

中国の素材メーカー・永興材料は9月5日夜、電池大手のCATLと7か月あまり進めてきた合弁での工場建設計画を中止すると発表した。

永興材料によると、建設の準備にあたり新たな状況が発生し、CATLと協議の末、「合弁経営契約」を中止したという。

永興材料は2022年1月27日、CATLと合弁会社を発足させ、総額25億元(約516億円)以内での年産5万トンの炭酸リチウム工場の建設に向けて合弁契約を結んだと発表していた。

永興材料は9月5日の発表で、「新たな状況」の内容について説明せず、どちらが「違約」したかについても触れずに、現状に応じて双方で他の提携方法を模索するとのみ表明している。同社の社員によると、「提携の際に新たな状況が発生し、意見が合わなくなる恐れがあるので、協議の末に提携を解除した。詳しい内容は話せない」とのことである。

合弁会社はすでに発足し、出資も果たされているが、今回の中止に伴ってCATLまたは同社指定の会社がこの会社の株式の残り分30%を譲り受けることで双方が合意している。譲渡額は出資額780万元(約1.61億円)に年利の3.5%分を加えた787.03万元(約1.62億円)となる。

このことから、「違約側」はCATLであるとみられ、永興材料の「稼ぎ」は利息分の7万元(145万円)のみとなってしまった。

一方CATLは、 25億元(約516億円)をかけたこの事業の行方について何ら発表をしていない。

(中国経済新聞)